気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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「それで?どうしてこんな事になってるんですか?」
話を元に戻すためにも、レイブンが半ば無理やり会話に入った。
「いや、先ほど列車内を見回ったときに、たまたま見かけてな」
「見ただけで?」
当然と言えば、当然なレイブンの質問。
「・・・・・・」
兄さんは何故か答えない。
「指名手配されてるんだよ」
「レイン!」
言ってはいけないというのか、兄さんが名を叫ぶ。
「まさか、そんなはずはないわよ?毎日、指名手配犯確認してるもの」
「それは、国警のだけでしょう?」
確かに、指名手配犯は毎日新聞で知らされている。しかし、それは国警が追っている連中だけで、立警が追っている人間は国民には知らされない。立警が追うのは、王家が関わっているときのみ、故に国民には関係が無いと言う事で、知らされていない。
国民に伝えた方が、早く捕まるだろうが、王家としてはあまり知られたくないとう思いが強いらしく、極秘で捜査されているのだ。
「どうゆうことだ?」
頭上から声が降ってくる。
「さっき自分で言ってたじゃないですか?何で、『立警と国警が一緒にいるんだ?』って」
「あんた達を追っているのは、立警だよ。第二王子を騙しただろう?」
「な、何故、お前が知ってるんだ!?
「レイン!」
再び兄さんが僕の名を叫ぶ。
「お前は、もう黙ってろ」
威圧するような声で、そう言った兄さんはこちらへと近づいてくる。
「おっと、それ以上は来るなよ」
僕を掴んだまま、パロットが一歩下がる。
数歩進んだところで、兄さんは立ち止まった。
「まあ、そう焦るな。今の話、聞いていただろう?そうゆう訳で、お前を捕まえさせてもらうよ」
そして、一歩前へと進む。
同じように、パロットが下がる。
「来るな!本当に撃つぞ!」
グッと、拳銃に力が込められたのが分かった。
そして、兄さんと目が合う。
どうするつもりなのだろうか?
「今なら、まだそんなに罪は重くない。しかし、その子を撃ってみろ?その瞬間に、お前は死刑だ」
スッと自然な動作で兄さんは銃を構える。

「ふっ、今更お前が銃を構えたところで、状況は変わらないぞ?お前が撃てば、私も撃つ。距離を見てみろ、確実にこの子どもは死ぬぞ?」
確かに、パロットの言うとおりだ。例え兄さんが、どんなに上手く撃とうとも、せいぜい彼の動きを止めることが出来るぐらいで、大して意味はない。対する、パロットは僕を確実に殺す事が出来る。それは、どちらが先に撃っても変わらない事実だ。
「さあ、どうする?撃つのか?撃たないのか?」
「ゼニス!引け」
動こうともしない兄さんに、エル女史が後ろから呼びかける。
「兄さん」
戻ろうとするところを、僕は呼び止める。
「いつまで、こんな茶番劇に付き合うつもりなんですか?」
「何を、言い出すんだ?」
「レイン?」
パロットの不思議そうな声と、兄さんが心配そうに名を呼ぶのとを聞きながら、僕は行動に出る。
何故だか、恐怖感とかそういうものは一切なかった。自分が行動する以外で、解決方法は他に無いだろうと思ったから、動いただけだ。
上手くいくという自信はあったが…保障はどこにも存在しない。けれど、やらなければずっとこのままだ。これじゃあ、レイブンとまともに話をすることなんてできない。
まだ、彼には肝心なことを言っていないのだ。
相手が、持っているのは小型拳銃。女性が護身用に持つ一番小さいタイプだ。殺傷能力は低いが、持ち運びには最適だ。
しかし、それ故に弱点だらけで、好んで使うものは少ない。特にこうゆう場面では不向きな事この上ない。
 
「な!?
こめかみに突き付けられた銃身を握りこみ、強引に前へと引っ張り、彼の体勢を崩させる。ついでに彼の胸倉を掴み、そのままの勢いで投げ飛ばす。
「きゃ、パロット!」
「やめっ!?
「レイン?」
「うっ!」
「うゎお!すっげー」
「ほお。」
「え?うそ」
人が床に叩き付けられた音は、レイブンの声にかき消された。
皆がそれぞれの言葉を漏らすが、誰が何を言ったかなんて気にしている場合ではない。相手が床で呻いている間に押さえつけ、奪った銃を突きつける。
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