気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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「別に、駄目だって訳じゃない。けれど本来、立警は一つの仕事しかしないんだ」
「一つの仕事?」
「ああ。担当が決まってる」
「担当?」
「・・・・。要するに、決められた仕事しかしないんだ。兄さんたちの場合だったら、仕事は『僕を見つけるという事』だけで、他の事は一切しない。例え、指名手配中の犯人が目の前にいようとも、捕まえる事はしないんだ。」
「じゃあ、何で?」
今回、彼らを追ったのか?
「それを、さっき聞いた」
けれど、答えずに兄さんは行ってしまった。待っていろと言ってはいたが、教えてくれるとは限らない。
「レイブン、座ろう。疲れた」
「ああ、そうだな。うん、座ろう」
そうして、僕らは最初から座っていた位置へと戻る。
「レイン、次の駅までどれくらいか分かる?」
「さあ?多分、まだまだじゃないか。そんなに時間は経ってないと思うけど?」
「そうか?オレは、もう数時間ぐらい経ってる気がする…」
「せいぜい、一時間半ってところだろ。時計ないから分からないけどな」
「前の駅出てから?」
「多分」
「次の駅までじゃなくて?」
「もちろん」
当たり前だろうと言っても、レインは信じられないらしく首をかしげている。
「おかしい、オレの体内時計はいつからくるってるんだ!」
「最初からなんじゃない」
彼の叫びに一応返事をしてみるが、やってはいけない事だったらしい。
「レイン!」
「冗談だって」
名を叫ばれ、その勢いに負け訂正するが、相手にされていない。彼の頭はもう違う方へと動きかけている。

「う~ん。時間間隔を保つのが、オレの自慢だったんだけどな~」
「何、それ?」
「いやな、今こんくらいの時間だな~とか、結構正確にわかってたんだけど…」
はあ~。と盛大にため息を付きつつ頭を抱えている。
そこまで、落ち込むような事なのだろうか?
「何で、そんな落ち込んでんだよ」
「レイン君、冷たい」
「・・・勝手に言ってろ」
冷たく突き放したのはまずかったらしい。彼の目つきが完全に変わっている。
「レイ~ン!」
「わっ、バッカ!抱きついてくるな!」
「だってレイン、これ以上オレの特技減ったら洒落になんないじゃん」
「分かった、分かったから。まず離れろ」
「そりゃあ、お前は頭いいから良いよ?」
「ああ?」
「けど、オレにはこれといって人様に自慢できるほどの…」
明らかに話の方向がおかしくなっている。
ぐだぐだと愚痴を言い始めるレイブンに、適当に相槌を打ちながら聞き流す。
「うるさいよ。レイブン」
「へ?」
「たっく、しょうがないだろ。誰だってあんなことに巻き込まれれば、時間の間隔が狂うもんだろう?」
「は?」
思ってもいない事を言われたからか、レイブンの返答はおかしなものばかりだ。
「遅いな、兄さん」
それ以上フォローする気もないので、当たり障りもない話題を持ちかける。
「レイン?」
「何?」
「話、逸らすなよ」
「何の事だよ」
しかし、彼のようには上手くいかない。やはり、会話というものは難しい。
「まあ、いっか…」
「そういえば、何か言いかけてたよな?」
「何?いつの話?レイン」
「ほら、あいつらが入ってくる前」
「あ~あ、あれ…ね」
何となく思い出して、尋ねてみるが彼の反応は良くない。
「また、今度ね」
「なんだよ。それ」
「いや、だって。今、言うことじゃないって」
「あっ、おい!こら、逃げんなよ!」
なぜかレイブンは、席を立ち上がり通路へと出る。そのまま、扉へと一直線だ。
出遅れた僕は、慌てて席を立つがすぐに追い駆ける体勢にはならない。
「んじゃね、レイン!」
「おい!こら、レイブン!兄さんに怒られるだろ!大人しくしてろって!」
何とか、走り出すがその時には、彼はもう扉の向こうへと消えようとしている。
「げぇ。うそっ!?うわ!うそです。ごめんんさい!今すぐ戻ります!!
しかし、消える前に彼は再び戻ってくる。
向こうに何があったのだろうか?
とりあえず、立ち止まり彼がこちらに戻ってくるのを待つ事にする。
しかし、彼の向こうに見慣れた人物の姿を見つけた。
「兄さん」
「やあ。元気だねぇ!二人とも、列車の中で追いかけっこかい?」
 
 
 
 
 
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