気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
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遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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席に戻ってきて数十秒。
「何で、黙ってんだよ。レイブン」
小さな声で、レイブンに耳打ちする。
しかし、実際のところ聞かれたくない人間は、すぐ目の前にいるのだから、あまり意味はない。
「ん?オレは、てっきりレインが話してくれるのかと思って」
そして、レイブンは普通に声に出して喋る。
これで、最初の行動の意味がまったく無い事になる。
「何で、僕が」
「だって、聞いてみるって言ったのはレインだろ?」
「確かにそうだけど、僕は聞くつもりはないぞ」
「じゃあ、どうすんだよ」
「知るか。僕に聞くなよ」
「おい。お前等、人に対して礼儀ってもんは無いのかよ」
どうでもいい事を言い争っていると、今まで黙っていたオネストが会話に割り込む。
「人を捕まえておいて、無視、決め込むなんて、ありえねぇ」
・・・・・・。
がっ。
と、すごい勢いで、腕を掴まれ再び背後のボックス席へ連れて行かれる。
「な、なんなんだよ」
「あいつ、絶対王子じゃない!あんな王子絶対嫌だ」
「何で?」
「何でって、レイン。よく考えろ、あんな口が悪くて、態度悪い王子なんて、絶対オレはみとめないぞ」
かなり、個人的な主観な気がするが、確かにあんな偉そうで態度の悪い王子は僕もいやだ。
そして、僕が予想するに容姿や態度、喋り方からすると、どこぞの貴族の次男坊だろう。
家も継げないし、これといった才能も無い、どうしたらいいのか分からなくて、家出してきたという感じだ。
・・・はたして、それは本当に彼の事だろうか?
「おい、お前等。いい加減戻って来い」
そして、頭上すぐ近くから声が降ってくる。
見上げると、オネストがこちら側を覗き込んでいた。
「で?聞きたい事があるんじゃないのか?」
「あ~っと、はははは」
何故か、奇妙なわざとらしい笑い声をだすレイブン。そんな彼を横目に、僕は会話するためにスイッチを切り替える。
はっきり言ってしまえば、この態度の悪さは腹が立つ。
「別に、あんたに聞きたい事なんて、何一つないよ」
・・・・・・・。
3人の間に沈黙が走る。
「ちょっと、待って。オレは嫌だぞ、こんな空気。いい加減にしろ、お前等。てか、相性悪すぎだろう。レイン、いいか、お前は黙ってろよ?あからさまに、戦闘体勢整えるな。スイッチ切り替えろ」
何なんだ。
何なんだ、戦闘態勢って。
だいたい、何で僕まで怒られなきゃいけないんだ。
「えっと、オレ等は別にあんたに文句があるわけじゃないよ。ただ、何で貨物室に隠れてたのかな・・・って。な?レイン?」
黙ってろって言っておいて、聞いてくるな。
レイブンの問いかけを無視して、窓の外に視線を向ける。
外の風景は、何の変化もない荒野が続く。
レイブンとオネスト、二人が再び黙っているため列車の走る音が大きく聞こえてくる。
ガタン、ガタン・・・。
なんか、久々に聞いた気がするな・・・。
ずっと、列車に乗ってるのに、変な話しだ。

「悪いけど、俺は王子なんて大層な身分じゃないよ」
「じゃあ、何者?」
「言ったろう?オネストだって」
「名前、聞いてるわけじゃないんだって」
「何が聞きたいって言うんだよ」
「だから、オネストの身分は?」
「だから、そんな誇示するような身分じゃないって」
「それは分かった、あきらめよう。次、この列車に乗った目的はなにさ?」
「特にない」
「じゃあ、何であんなとこにいたんだよ」
「なんとなく?」
「なんとなくで、あんなとこ乗らないだろう?」
「何か理由があるんだろ?」
「いや、それ言うの無理」
「どうして?」
「どうしても」
「分からないやつだな」
「分からなくて、結構」
「あんま態度悪いと、車掌に突き出すぞ?」
「いや、それは勘弁。スミマセン」
レイブンとオネストの会話はどこか間抜けさを感じさせる。
これじゃあ、いつまでたっても話しが前に進まない。
「分からないヤツだという意味では、お前も変わらないだろう?レイブン」
「何でオレ?」
急に会話に入った僕に、名前を呼ばれレイブンは意外そうに自分を指差す。
「お前が、最初いた場所も充分おかしい。けど、興味がないから聞かなかっただけだ」
「いや、そこは聞いとこうよ。レイン、冷たいな」
「何?お前、どこ乗ってたの?」
興味津々といった風にオネストが聞いてくる。
 
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