どうも、セツイの行動は不思議が多い。
セツイどころか、この店に来て目にしたもの全てが変だ。
この建物といい、翁といい、変わったものばかりで普通がない。
そして、とどめを刺すのが喋る鳥シノ。
そのシノは現在セツイの肩に乗っている。
「シノ、どう思う?」
「ン?上手ク行ッテルンジャナイ?」
「そういう意味じゃないよ。シノ」
3つ並んだ蝋燭の炎を見ながら考え込むセツイに軽く返すシノ。
「まあ、いいか」
蝋燭から視線を直ぐ横の瑞希へと移す。
瑞希は彼らを見ていたので、視線を移したセツイと自然と目が合う形になる。
目が合ったまま数秒。
直ぐに逸らせば言いというのに、何故か視線は固定されたままだ。
「何?」
表情を変えずに瑞希を見ていたセツイが、不機嫌な声でそう尋ねた。
「え?何って・・・えっと・・・。」
何?と尋ねられても答えられるはずもない。
「意味もなく人を見ないでくれる?僕、見られるのってあまり好きじゃないんだよね」
「セツ?」
「何?」
「ソレハ、我ガ儘ネ」
「わがまま?」
理解できないと言わんばかりにセツイは表情を曇らせる。
しかし、シノはもう返事をしない。
関係ないという感じにそっぽを向いてしまった。
それを見たセツイは、床に視線を落とす。
「ハァ・・・・」
床を見つめたまま、前髪をかき上げ、思いっきり息を吐き出す。
「時間がもったいない。次へ行こう」
そう言って、先ほどの手とは反対を差し出した。
その中には、3つの石が入っていたように思う。
瑞希は不思議そうにそれを見つめる。
「手、出して。キミさあ、もう少し考えて行動できない?」
反応鈍すぎと小さな声で最後に付け足す。
瑞希の手の中に石を落とし、その上にセツイは自分の手を重ねた。
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