気の向くままに徒然と・・・
| Admin | Write | Comment |
カウンター
New!
~足跡~
[01/12 館主 遼]
[01/12 nameress]
[05/20 館主 遼]
[05/20 蒼月薫]
[04/11 館主 遼]
プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
Letter
バーコード
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「セツ、話シガズレテルヨ」
「あ?」
「今ハ、オ嬢ノ日本語関係ナイネ」
「そうよ、今はもっと違う事を話題にすべきでしょ?」
シノが見方についてくれと分かった途端、瑞希の態度は強気になる。
「ソモソモ、セツノ日本語モ可笑シイヨ」
「お前にだけは言われたくないな。鳥のくせにペラペラと喋りやがって」
折角、話を戻したのに再びおかしな方向に行ってしまう。
「あの、お願いだから説明を・・・」
一人と一羽が睨みあいを始めるのを、瑞希は控えめに発言を試みる。
「あぁ、忘れてた。シノ、頼むから少し黙っててくれ」
本気で忘れていたのか、セツイはケロッとしてそんな事を言ってのけた。
「デモ、セツノ話シダケダト足ラナイヨ」
「じゃあ、補足は後で。まずは黙ってろ」
「後でも、前でも途中でも、何でもいいから、お願いします!」
こうなたっら、何でも来いだ。
勢い良く頭を下げて頼み込む。
「あれ?何か違くない?」
そのまま姿勢でポツリと呟いて、現状のおかしさに気づく。
ここで、瑞希が頭を下げる必要はまったくない。
「分かったから・・・。まあ、立ったままも悪いから。はい座って」
自分が座っていた椅子を勢い良くこちらへと押し出す。
タイヤ付きだが、背もたれの付いてない椅子は上手い具合に瑞希の前でピタリと止まった。
「あ・・りがとう・・・ございます」
小さな声でお礼を言ってから、瑞希は椅子に座る。
対するセツイは、部屋から出って行ってしまう。
「どこ行ったの?」
「多分、小道具ヲ取リニダト思ウヨ」
「小道具?」
「必要ナモノ、アルカラネ」
「必要なもの?説明に?」
「違ウヨ。コレカラノ作業ニダヨ」


「シノ、羽」
戻ってきたセツイは、さきほど部屋にあったランプを手にしていた。
もちろん、灯は付いたままだ。
瑞希たちの会話などまったく無視でシノに話しかける
「ん、どうも」
シノが自らの翼から1本羽を抜き、それをセツイへと渡す。
セツイは、受け取った羽を胸ポケットに仕舞い、瑞希の前を横切り、机のに向かう。そして、上から2番目の引き出しを開けた。
「あ~っと…―」
引き出しの中を物色しつつ唸りながら、頭へと手をもって行く。
髪をかき上げ、そのまま静止。
引き出しの中には、たくさんの石が入っている。
セツイは石の大群を睨みつけたまま動かなくなってしまった。
瑞希には聞き取れない声で、ブツブツと呟きながら石を手に取っては戻してゆく。
「こんなもんか・・・」
3つの石を手にとり、漸くセツイが顔を上げた。
それを、カチカチと手の中でもてあそびながら瑞希の前へ。
「一応説明ね。過去だの未来だのは一先ず置いといて、キミに今からまじないを掛ける」
「おまじない?」
「ああ、言ったろう?ここは、夢想を売る店だ。つまり、現実ではありえない物を売る。それは、形ある物だったり存在すらしないモノの場合もある」
「う、ん」
曖昧に頷く瑞希に、一瞬セツイは訝しげな視線を送るが、直ぐにそれを手元の石へともっていく。
「それのために、使い魔であるシノの羽と、この石が最低限必要なものなんだ」
「使い魔?」
「使い魔」
「ただの鳥じゃないの?」
「ただの鳥が、こんなに喋るわけないだろう。常識でものを考えろ」
「じゃあ、何?」
「だから、使い魔。僕のまじないが掛けてある」
「・・・・」
なんとかして、話についていこうと思うのだが、内容がそうはさせてくれない。
「いい?続けるよ?」
そこへ、セツイが確認するように尋ねてくる。
しかし、その声音は否定を表す事を許さないといった雰囲気を持っている。
コクコクと動作だけで返事をし、先を待つ。
「この石はそれぞれ・‥赤いのがカーネリアン情熱や勇気を与え、あらゆることを勝利へと導いてくれる。白黒交じりのがハウライト。悩みや不安、トラブルを解決へと導く。最後の白が、スノークォーツ。物事をやり直す力を与えてくれるものだ」
説明すると断言しただけあって、彼は淡々と話しを進めてゆく。
相変わらず、相手の事を考えないのは変わっていないが先ほどよりはマシだろう。

PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[79] [81] [82] [90] [91] [95] [96] [99] [100] [108] [109]
忍者ブログ [PR]
material by:=ポカポカ色=