気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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セツイがシノと言い合いをしている間に、瑞希は時計を取りに行く。
ソファーにポツンと置かれた時計を改めて見ると、自分のマヌケさを思い知らされる。
見ていてもあまりいい気分ではないので隠すように拾い上げる。
そして、それを握り締め、彼らの元へ向かう。
しかし、彼らは戻ってきた事に気づく事無く会話を続けている。
話しかけるタイミングを計るが、それは中々みつからない。
「イツモ、翁ニ言ワレテルヨ。セツ、知ラナイノ?」
「あれの言う事をまともに信じるな。だいたい、僕のいないところで言っていたことを、僕が知るわけもないだろう」
「アア、ソウイエバソウネ。デモ、セツガボケテルノハホントノ事ダヨ」
「だから、何を持ってそんなことを言うんだ?いつ、どこで、誰がそんな行動を取ったていうんだ?」
「朝、イツモダヨ。セツ変ナ行動トッテバッカダヨ」
「それは、低血圧だからだ。寝ぼけてんだよ。おい!時計持ったんだな?さっさと行くぞ」
前半は面倒くさそうに、後半はかなり乱暴にセツイは言葉を発する。
バン!!
と思い切りよく、例の扉を開く。
「セツ!物ハ大切ニ扱ワナキャダメネ。壊レチャウヨ」
「うるさい」
セツイは短く答えて、扉の奥へと消えていく。肩にのったシノも当然一緒だ。
置いていかれる形になった瑞希は慌てて彼らの後を追いかける
「何、ここ?」
「作業場」
「作業場?」
「ソウヨ、作業場ヨ」
「な、んの?」
不自然に切れる言葉は、今の瑞希の気持ちをそのまま表している。
今までいた部屋も不思議だったが、ここはもっと不思議だ。
なぜ、ここまで変な部屋を作ろうと考えるのかが分からない。


「何のって・・・、本気で聞いてる?」
セツイの声は相変わらず冷たい。
「いや、だって見ただけじゃさっぱり・・・」
きっと、だれが見ても感想は一緒だろう。
瑞希としては、この部屋を見て何をする部屋なのかすぐに分かる人がいたとしたら、それはどこの誰なのか教えて欲しいくらいだ。
気づいたの事があるのだが、この家は明るい部屋が存在しない。
ランプが主な灯りとして使用されているので、もしかしたら電気が通っていないのではないかと心配になってしまうくらいだ。
目の前の部屋も、やはり灯りはランプしかない。
さて、この部屋のどこがおかしいのかと言うと・・・入ってすぐに目に飛び込んできたものが変なのだ。
もちろん、他にもたくさん変なものが存在する。
まずは、壁に貼り付けられた銀食器。
お皿は、大きいのや小さいもの多種で、フォーク・スプーン・ナイフ・燭台などが何故か壁に張り付いている。
そして、その周りには大小様々な正方形の引き出しが天井から床まで隙間なく敷き詰められていた。
似たようなものを、長編アニメ映画で見た事あるが、真ん中に銀食器が並んでいるだけで大分イメージが変わるものだ。
向かって右の壁には、設計図が隙間なく貼られている。
見た限りではいったい何の設計図なのかはわからない。ただ、設計図だという事が分かるくらいだ。少なくとも下の店に並んでいる品物の設計図でないことも確かだろう。
そして左の壁には、陽で焼けしまったのか茶色くなった古めかしい世界地図があった。それには、所々に赤い×印がついている。
それは、日本やアメリカ、そしてヨーロッパだったり海の上だったりと、まるでまとまりがない。
陸の上だけならば、行った事のある場所として印をつけているのかと思うが、太平洋など海の上に記された×印のせいで、まるで意味の分からないものになっていた。
最後に天井だ。
天井と言っても、ここは屋根裏部屋なので奥へ行くほど低くなっている。一番奥になっても、2m近くはあるのだが、さきほどまで居た部屋の中心部分と比べると圧迫感がある。
当然ながらこの天井・・・というよりも屋根と表現すべきか・・・も普通ではない。ここは大きなステンドグラスになっていた。
描かれているのは、不思議な図形がいくつも重なった不可思議な模様だ。
「何が」描かれているのかは分からない。


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