期末テストまでは、あと3日。
テストを控えたこの土日に追い込みをするものはたくさんいる。
少年もその中の1人だ。
確かに、ここ何日か少しづつやってきたがこれからが本番だ。
しかし、少年は今あるものに悩まされている。
「今日も来んのかな・・・?」
ポツリと呟きながら、天上に目をやる。
中々手が動かない。
机に向かってはいるものの、少年の手は先ほどからまったく動いていない。
無駄にシャーペンを握ってるだけだ。
クルクルとペンを手の中でもてあそぶ。
ついでに言うと、頭も動いていない。
少年のところには、ここ何日かおかしな来客が来ていた。
いや、来客というのは表現が少し間違っている。
「何か」が来てはいるが、それを一度も確認できていない。
「それ」は毎日決まった時間にやってくる。
そして、毎日同じようにドアを叩くのだ。
この4日間毎日続いている。
昨日まではは、扉を開いて外を確認していたがさすがに嫌になってきた。
どんなに探しても、外には誰もいないのだ。
だから、今日はシカトする事に決めていた。
そしたら、今度は思ってもいない事が起こったのだ。
少年の目の前に置いてある目覚し時計が、コチリと音を立てて日付の変わる時刻を指した。
それと同時に玄関の方から奇妙な音が響く。
コンコンコン。
と。
「ああ、やっぱり。」
と呟くだけで、椅子から立ち上がることはしない。
そしたら、再び扉を叩く音がした。
「あれ?」
と声に出すが、それでも、やはり無視することにした。
「どうせ、すぐにいなくなるんだろ。」
コンコンコン・・・。
コンコンコン・・・。コンコンコン・・・。
と、それは中々とまらない。
一定の間を置いて、静かになり続く。
コンコンコン・・・。
コンコンコン・・・。
しかしそれでも、少年は立ち上がることはない。
机に突っ伏し、耳を塞ぐ。
コンコンコン・・・。
コンコンコン・・・。
「何でだよ。何で今日はいなくなんないんだよ。」
コンコンコン・・・。
「誰なんだよいったい。何で、こんな・・・。」
ガシャン。
と音を立て、乱暴に立ち上がり玄関まで走って行く。
「ダレだ!!!」
ドアが外れそうなぐらいの勢いで扉を開く。
・・・・・・・。
しかし、そこにやはり誰もいない。
「何なんだよ。いったい。」
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