気の向くままに徒然と・・・
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遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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ゴツン。
と音をたてて少年は頭を上げる。
今のは、頭が扉にあたった音だ。
天上を見あげ、電気を睨みつける。
もう扉を叩く音は聞こえていなかった。

あれから、どれくらい経ったのだろうか?
時間の感覚がまるでない。
いつから、例の音が無くなっていたのかもわからない。
とりあえず、人間だったという事が唯一の救いだ。
男か女かはわからない。
頭があって、腕が2本あって、体があって、足が2本あって・・・。
あれはどう見ても、人間だ。

何かを、考えているらしく少年はその場を動かない。
天上を見上げたまま固定されている。

ピーン・ポーン!
と、突然間の抜けた音がする。
予想もしてなかった音に少年はビクリと体をすくませる。
そして、凍りついたように動かない。
チッチッチッチッチ・・・・
と床に置かれた目覚し時計だけが音を立てている。
そして、再び間の抜けた音。
ピーン・ポーン!
その音を聞いてようやく少年は動き出す。
のそり、と立ち上がり先ほど何度もしていた事を繰り返す。

一瞬、また「あいつ」がやって来たのかと思ったが。
2度目の音で気がついた。
「やつ」はインターホンなんて鳴らさない。
しかし、こんな真夜中に誰が、何の用だというんだ。
覗き穴に目を合わせ外を確認する。
あれ・・・?
明るい。
「てか、何だこいつ。」
外が明るい。おかげで外にいる人間が誰なのか確認できた。
そこにいたのは、先ほど電話で話したばかりのクラスメイトだ。
ドアノブに手を掛けながら考える。
さっきは暗かったよな・・・?

「よう!」
「・・・よう、じゃねぇよ。何の用だよ。つーか、いつ来た?」
「そりゃ、今。電話切ってからすぐ。なあ、上がっていい?」
「・・・・・・・・。」
返事をするのも面倒なようで、少年は無言で突然やってきた訪問者を招き入れる。
そして、適当なところへ座れと促す。
「何か、飲むか?」
「ビール。」
「あるわけねぇだろ。」
「じゃあ、チューハイ。」
「お前、いっぺん殴られたいか?」
「あはは。冗談だって、何か温かいもんがいいな。外、寒くてさ。」


二人分のコーヒーを手に、キッチンから少年は戻ってくる。
そして、カップを渡しながら改めて疑問に思っている事を尋ねてみる。
「で、何の用なわけ?」
「ホントはね、お前が言ってた「不思議な訪問者」に会いに来たんだけどさ、玄関で親に捕まっちゃってさ。」
「ふーん。てかさ、お前、勉強は?」
「ああ。それなら任せといて。」
そう言いながら、クラスメイトは背中のあたりから何かを取り出す。
「お前、鞄とか言うものは持ってないわけ?」
出てきたのは、明日のテスト科目の教科書2冊と問題集だ。
「って事で、一緒に勉強しようぜ!おれ、今日は・・・ん?今晩つーのかな?は泊まるから。テスト終ったら直でここ帰ってくるからヨロシク。」
「ヨロシク、じゃあねぇよ。せめて昼は家で食って来い。」

そんな、無駄な会話をしながらも手はしっかりと動いている。
問題集と教科書もリズム良くページが進んでいく。

その日は、結局徹夜で望んだテストの結果は来週にならなきゃわからない。
しかし、彼の元にやって来ていた「不思議な訪問者」はその日以降やってくる事は無かった。
理由はわからない。
テスト期間中、クラスメイトが交代で泊まりにきていたのも理由の1つだろう。
クラスメイトの話しでは、少年の様子がおかしい事から、友達の中で話し合って泊まりにくるようにしたらしい。
最初は、電話で済ますつもりだったが何の解決にもならなっかたから、無理やり押しかけたのだ。
そんなわけで、少年の元には平和が戻ってきた。
変わりに、冬休みに入るまで彼の元には必ず誰かクラスメイトが泊まりに来て休まる時が無かったようだが・・・。


終わり
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イヤァァァァァァ(゚Д゚;)Σ
みぃとこ
結局、ナニモノなんすか!?
怖くて夜、一人でトイレに行けないよぅ(ノ_;)

でも、怖い話とか不思議な話が好きなんで、面白かったデス(^∀^)主人公と一緒にドキドキしちゃいマシタ(´∀`;)ゞ
2007/07/31(Tue)22:16:56 編集
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