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自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


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『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

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「それ」がやって来てから今日で6日目。
明日で1週間になる。
少年にとっては、テスト初日にあたる。
1週間前から、勉強を始めていたものの妙なものに邪魔され中々本調子がでないでいた。
初日の今日は、国語と数学。
国語の方はまだなんとかなったが、数学がボロボロだった。
が、そんな事気にしていたら今日の勉強に気が入らない。
そもそも、ここ最近ほとんど集中できていないのだ。
まだ結果の分からないテストに対して、落ち込んでいてもしょうがない。
だから、明日のことだけを考える。
そして、自分の成績のために少年はある決心をしていた。
それは、犯人を捕まえる事。
捕まえる事が出来なくても、文句だけも言ったやりたい。
そう考えていたのだ。
夜中の12時ピッタリにやって来る「それ」に対抗する事を決めたのは、今日のテストが終った瞬間だ。
あまりの出来の悪さに腹がたった。
カチカチカチ・・・・。
目の前に置いてある目覚し時計の秒針の音がやけに大きく響く。
「あと、1時間か・・・。」
少年は時間ばかりが気になってしょうがないというように、先ほどから時計しか見ていない。
今、彼の目の前に広がっているのは科学の教科書だ。


1時間というのは、長いようで短い。
そして、短いようで長いのだ。
少年は少々イライラしきたようで、足が小刻みに揺れている。
「こんな状況で、どう勉強すりゃあいいんだよ。」
明日どうすんだ~、と天上に向かって叫んでいる様は追い込まれた受験生のようだ。
ガタン。と音をたてて立ち上がり、キッチンへ向かう。
冷蔵庫を開けて中から出したのは、ミネラルウォーター。
それを、持って机には戻らずに部屋の中をウロウロする。
ブー、ブー、ブー。
と急に妙な音がする。
ビクっと少年は立ち止まる。
どうやら、ケイタイ電話が鳴っているらしい。
しかし、少年は首をかしげ、部屋の中をあちこち見回す。
どこへ置いたのか覚えてないようだ。
ブー、ブー、ブー。
とケイタイは鳴り続けている。
こんなに、長い間鳴っているという事は、メールではなく電話らしい。
その間も、少年は床に落ちてるクッションを持ち上げてみたり、雑誌をどかしてみたりと部屋の中を行ったり来たりしてる。
「あっ、あった、あった。」
と言いながら、机の上の教科書の下からケイタイを取り出す。
「あ、もしもし?」
「だぁ、てめ、出んのおせ~よ!」
すごい勢いで相手はどなっている。
声が大きすぎて、電話口から思いっきり漏れている。
少年は一度ケイタイを耳から離してため息をつく。
「何だよ?こんな時間に・・・何の用?」
「ん、ん、んん。いや、全然。てか、逆に迷惑。」
電話の相手は、今度は普通の声で話しているようだ。
声は、電話から漏れなくなった。


「あっ、やべ時間、電話切るわ。じゃ、また明日。」
っと、一方的に電話を切って、時計を確認する。
もう12時、5分前だ。

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