「宝探しならぬ、鍵探しか。」
「普通逆だよね。鍵があってさ地図があって、それでお宝探すのに」
「お望みどおりだったじゃないか。部屋で鍵を見つけ地図を見つけて、ここまで来たんだから」
「いや、なんか違う。一向に宝に近づく気配がないし。」
ダラダラと喋りながら廊下を進む。もちろん、一つ一つ扉を調べながら。
「そもそも、ここは何?」
「それを知るために、探してるんだろ。」
「何を?」
「いや、分かんない。」
「何か知るために何かを探してるって事?」
「何の謎かけだよ。」
「難しい問題で、頭こんがらがりそう。」
「じゃあ、難しく考えるな」
「え?」
永夜が驚いた顔で僕の顔を見る。
そういえば、いつもと立場が逆転している。普段だと、考え込んでいるのは僕の役目で、それをばっさり切っていくのが永夜の役目だ。
「たまにはな。」
「たまには・・・ね。」
一階を全て見回り、二階へと続く階段を上がる。
一階同様に廊下が左右に分かれており、そこに部屋が並ぶ。
「なんかオレ、嫌な予感。」
「思っても言うな、そんな事。」
一番近い場所にあったドアに手をかけ確認するが、やはりそれは鍵がかかっている。
「「・・・・・・」」
二人して無意味な沈黙に包まれる。
「俺、こっち。お前向こう。」
左右の廊下を指差し、永夜に指示を送る。
「指令、全部の扉の確認。」
「らじゃ。」
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