さて、問題は、どこまで買い物に行くかだな…。
近い方のスーパーは、安いが品物の質があまり良くない。逆に遠い方のスーパー、値段は結構高いが、質がいい。そしてもっと、遠出すれば安くて質のいい物が手に入る。
近いスーパーは歩いて十分。少し遠いスーパーは十五分。遠いスーパーまでは三十分。
「チャリで行くか。」
一瞬、一番遠いとこまで行こうかと考えたが、もう一人いる事を思い出し考え直す。
今までの買い物は、必要最低限の物しか買わなかった。
しかし、永夜の事を考えるとそうもいかない。
量を考えただけでも、二倍になるのだから、安い方がいい。
質なんか気にしなくてもいいか。
健康なんて、あまり深く考えなくともいいだろう。
今までとは違うのだから。
途中までは同じ道のりなので、二人して一緒に家を出た。
地元の駅なのかと思っていたが、どうやら違ったらしい。
「いや、だってさ、大きいロッカーいっぱいだったんだよね。だから、しょうがなく隣の駅のロッカーに入れといたの。」
「ふーん。駅以外は見たのか?」
「えっ?駅以外って?」
「スーパーにも置いてあるし、後は、そこの公園にも結構置いてあるぞ。」
そう言いながら、駅前の小さな公園を指差す。
「うっそー!マジ?そうゆうのは早く言ってくれよ。オレ、なんか無意味に電車乗っちゃったじゃん。オレの電車賃返せ~!」
「知るか。気づかないお前が悪い。じゃ、俺こっちだから。」
「ん~。じゃね。」
永夜と別れて、スーパーへ向かう。今の僕の頭の中は夕飯をどうするかという考えで埋めつくされている。
「さて…。どうしたもんか?」
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