「あっ・・・」
わかった!
と言う声は、なんとか出さずに押さえ込む。
しかし、ある意味自分らしくない答えが浮かび、その事が無性に嬉しくてしようがない。
先ほど、永夜がやっていた様に、ガッツポーズつきで立ち上がっていた。
こんな、些細な事が嬉しいなんて変な話だ。
とりあず、だがこれで充分だろう。
「答えを見つけるために生きる。」
永夜はヒントを出したと言っていた。
もしかしたら、彼自身がヒントなのかもしれない。
だって、そうだろう?
あいつを見ていると、答えの出そうもない事を悩んでいるのがバカらしく思えてくる。
それに、結局のところ、ちゃんとした理由はなかったのかもしれない。
大人になりたくない、子どもでいたいなんていう、現実逃避で甘えた事を二十歳になるまで思い続けていたという事ぐらいしか思いつかないし。
でも、そんな事でいいのだろうか?
何かもっと、しっかりとした理由があればカッコがつくのにな…。
全部ひっくるめて、自分の存在する意味を・生きる…と言うには少し間違っているかもしれないが、その意味を探すために生きてもいいだろう?
きっと、いつか…答えが見つかるだろうから…そしたら今度は、もっと自分らしく生きて行ける。
ほら、僕はこんなにも前向きに考える事ができるじゃないか。
環境というのは、少し変わるだけで人を変えてしまう。
環境といういうより、永夜が原因か・・・。
「そういえば、誕生日って、もう関係無いんだな…。」
ふっと気がついて、思わず口に出していた。
年を取るといったことが無くなるわけだから、当然、毎年のようにやってくる誕生日は、意味が無くなる。
約束か…。
「確かに、守ったな。あいつ…。」
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