さくらの便り 7
「まあ、俺の事は置いといて
お前ら、そんなもん持って何やってんだ?」
「あー、そうだ。
これ置いてあったんですよ」
「そうそう。お兄さん心当たりない?」
うっかり忘れそうになったが
彼の問いかけで存在を思い出す。
一度地面に置かれたものに視線をやるが
どうも近づく気にはなれない。
クギが遠回りなど一切せずに問いかけた。
「心あたりと言われてもな。骨壺ね…」
彼は襟首あたりに手を持って行き考えるているらしく
視線が空に行っている。
そんな沈黙が落ちた中に、すとんと場の空気を壊す声。
「結構前のものだ、これ」
「…何で?」
シンがはっきりとそんな事を言い切り。
それに当然の言葉を投げるクギ。
「遺骨の色」
「ん~、とりあえず、墓回ってみるか」
ほんの少しだけ考えたクギがあっさりと答えを出す。
「いやいや、待とうよ。二人とも」
早速墓に行こうとするシンとクギを呼びとめた。
ちなみに、和武さんは傍観者を決め込んでいる。
「何?どうしたん?」
「二人だけで話を進めるなよ。何で遺骨の色見て
前のものだって分かって、そのうえ墓を回ってみるって言う結論にいたるんだ?
不満に思ってる事を一気にまくし立てれば
二人の動きはピタリと止まる。