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遼 莉杏
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自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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さくらの便り 2



「せんねんじ?」

シンの言葉をそのまま繰り返すがどこの事だかさっぱりわからない。

「千に念じる寺で」

「千念寺」

「千念寺?」

もう一度呟くおれの横でクギも同じように呟く。

「知らないか?」

「どの辺の?」

シンの問いにクギが問い返す。
正直自分も聞き覚えの無い名だ。

「幸北の駅からすぐ」

「ウチのご先祖、最方寺だからな~」

「クギのご先祖様は今はどうでもいいし」

「二人とも全く知らないって事はよくわかった」

呆れたようなシンの声。

「帰り行ってみるか?」

そのままのトーンで意外な言葉が発せられた。

「「えぇ?」」

クギと二人して驚きの声を上げる。
だって今目の前にいるのはシンだ。

「何?」

「いいの?」

不審な声のシンの言葉など無視して
彼に抱きつかんばかりの勢いで確認を取る。

「あ、ああ」

一歩後ろに下がったシンには少しショックだが
そこは仕方ない。

「やった!行く、行く。少しでも何かわかるかもだし
実際にコレ見てみたいし!」

「にしても、シン良く分かるなぁ」


新学年が始まって初日の今日当り前に授業は半ドンだ。

「腹減った」

「無理、おれ金ない」

「学食行けばいいだろ」

と一人一言で行動がスムーズに決まってゆく。
ちなみにクギ、自分、シンの順だ。

学食について3人そろって
スクールランチ
いわゆる日替わりランチで一番安いものになる。
それにクギはデザートをつけて。

「なあ、シン。何でこれだけで千念寺ってわかったんだ?」

「ついこないだ見たばっかだから」

食べ始めてすぐに気になっていたのかクギがすぐに会話を始める。

「なんで?」

「お彼岸」

「なるほど」

二人の会話を聞いていたがすぐに疑問に思った。

「あれ?でもその時期桜咲いてなくない?」

「咲いてないな」

「それで分かるもん?」

「ソウ、お前誰に向かって言っての?」

「え?」

そんなにも覚えているもんだろうか?
本人に詳しく話を聞きたいのだがそれをクギに遮られてしまう。

「相手はシンだ」

「ですよね」

「なんだよ、それ」

クギの一言で妙に納得してしまったが対するシンは不満そうだ。

「見たいって言われたから覚えてたんだよ」

嫌そうに発せられたその言葉を聞いて食いつかない訳にはいかない。

「何、何?彼女さん?」

「なんだっけ?あの可愛いコだよね?」

「親」

「「・・・・・」」

「なわけないし。黙るなよ」

思わず黙り込んだおれ達に呆れたシンの声。

「ははは、シン君。お兄さん疲れるよ」

「っははは!いい、シン!マジ、サイコーだわ」

乾いた笑いを洩らす自分とは対照的にクギはツボにハマっている。

「シンが冗談言うとか、希少価値ありすぎて、っくくくく」

笑いが止まらないらしいクギ。
それを何とも冷たい瞳でみやるシン。
ホント、おれ何でこの二人と仲いいんだろ?


 
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