セツイが言った、狂い方は確かに合っている。
買ったのがちょうど一週間前の木曜日。
その次の日に時計は15分遅れていたのだ。
おかげで、学校に遅刻してしまったので良く覚えている。
始めは合わせた時に間違えたのかと思い大して気にしていなかった。
次に時計がおかしくなったのは日曜日。
由月と遊ぶのに待ち合せ時間ちょうどに行ったつもりが、30分も早かったのだ。
この時、由月に話をしたらそれは絶対に故障しているから、店に文句を言って来いと怒られたのだ。
次が、火曜日。
この日も、シャレになれないくらい学校に遅刻した。
けれど、嫌だと思っていた体育の授業に出なくて済んだのは結構嬉しい事だった。
そして、今日は10分進んでいた。
朝はなんともなかったのだけれど、昼におかしくなっていたのだ。
「それで。キミの体内時計は正しい方?」
「はぁ?」
いきなり妙な事を聞かれ、思わずおかしな反応になる。
「キミ、さっきからそんなのばっかだね。僕としては、日本語で対応して欲しいんだけど?」
言われた事を理解するまで数秒かかる。
「えぇ?」
なんて失礼な、という言葉は出てこなかった。
おかげで、またおかしな答えになってしまう。
なぜなら、物凄い目でセツイに睨まれたからだ。
「だから・・・・。まぁ、いいや次行こうか。時計が狂った理由。心当たりはない?」
呆れながらも、セツイは先へと話を進める。
「ありません!!」
今度こそとばかりに勢い良く返事をしたら、セツイは目の前で両耳を塞いでいる。
どこまでも、失礼なやつだ。
そもそも、心当たりがあれば、わざわざこんな所まで修理には来ない。
両手を下ろしたセツイは、しかめっ面のまま固まっている。
そんなに大きな声だったろうか?
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