「あの時は、確か・・・放課後の学校で、誰もいない教室だったな。天気は・・・嵐。」
思い出しながらしゃべっているからか、間のあいたしゃべり方だった。
放課後・誰もいない教室・嵐・二人の会話、そして夢・・・?
不思議そうな顔している僕に一度視線を合わせ、彼は続ける。怖いくらい真剣な顔をしていた。
「オレの・・・ヒサヤ・キアロ・デフェルの最初で最後の契約者はお前だ、かなた。」
立ち上がり、そのまま去るのかと思うと彼は、動きを止める。
「ああぁ。それから、言い忘れてたけど・・・ハッピーバースデーかなた。今日でオレからのプレゼントは大成功を収めた・・・訳でもないか、記憶めっちゃ欠落してるし・・・。それから、こんどこそ約束を果たせる。」
「契約・・・?約束・・・?七年前・・・?」
混乱した頭はいよいよもって、完全にフリーズした。
それと同時に視界も狭くなってくる。
どうやら、いろんな意味で限界らしい。
最後に認識したのは、喜んでいるような、何かを企んでいるような、そんなふざけた笑みをこぼしている永夜の顔だった。
自分の意思とは関係なく深い眠りへと落ちていった・・・・。
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