「チェックメイト」
ふざけてそんな台詞を言いながら、安全装置に手をかけた。
カチ。
安全装置を外し、引き金に手をかける。
「レイン?」
「じゃあね」
ニッコリと微笑んでから、グッと指に力を込める。
ぱん!!
変に乾いた音が響いて、車内が静まり返った。
・・・・・・・・。
「レイン!?お前…」
沈黙の後に声を張り上げ、僕を呼んだのはレイブンだ。
「何?」
「何じゃねぇよ!お前、なにやってんだよ!」
「何って?」
「え?」
「見ての通りだよ、レイブン」
銃からは、弾どころか煙も出ていない。音だけが鳴る、完全な偽者だ。
「はははははは・・・」
急に、パロットがおかしな笑いを始める。
「げ。えっと、アシエさん」
急に笑い出したパロットに恐怖を覚え、アシエに向かって助けを求める。
「は、はい!」
今まで黙っていたせいもあってか、声が掠れていた。
「変わってもらっていいですか」
「はい!おまかせを!」
アシエがパロットを押さえた事を確認してから、再び話しかける。
「…あのさ、その改まった言い方、止めてくれません?」
仮にも人を殴っておいて、今更その態度はないだろう?
「え、しかし」
アシエの言葉を、無視していまだに動かないレイブン達のもとへと向かう。
PR