「なあ、じゃオレからも質問していいか?」
僕の話しに飽きたのか、レイブンは自分から話題転換を申し出る。
「何を?」
「まあ、色々?」
「例えば?」
「エル女史って何者?」
「レイブン」
「何だよ?」
「聞くこと、違くないか?」
「しょうがないだろ、気になってるんだから」
どうしても気になるらしく、レイブンは悩むような表情を作る。
「何がそんなに気になるんだよ」
「いや、だって。あの人なんで兄王子とあんな仲良いんだ?」
兄王子という単語が一瞬誰のことだか分からなかったが、当てはまる人物は二人しかいない。
「ああ、あの二人は同級生だよ」
「同級生?」
「見えないか?」
僕の言葉にレイブンは不思議そうな顔をするだけで頷こうとはしない。
「まあ、言われてみれば?」
「何が、そんなに不満なんだよ」
「いや、別に不満ってわけじゃ…」
「じゃあ、何」
僕の問いかけに黙るレイブン
「あまり、変な事を二人に言うなよ。下手をしたら殺されるぞ」
「え?」
なんとなく、察しがついた僕は、そんな事を言ってみる。
「いや、ただオレはあの二人、付き合ってるのかなぁっと」
「うん。だから、それがまずい」
思った通りだと、頷きながら僕は答える。
「マジで?」
「ああ。僕も一度…言いかけた時があって、あれはホントに怖かった」
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