気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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良く見てみれば、隅の方に父の手書きで数字が書き足されていた。
0311
住所?じゃないよな?
何だコレ。
地図に記されたこの場所にいったい何があるのだろうか?
しかし、悩む前にやることがある。
地図を机の上に置き、部屋を見回す。
そして、何をするわけでもなく、椅子に座っている永夜に目を向ける。
「永夜、邪魔。」
「え?何、急に。」
「だから、掃除。」
「ああ、そうね・・・オレ、何かする?」
「いらない。とりあえず、この部屋から出てけ。」
「・・・。なんか酷くないですか?」
「そうか?」
「そうです。」
ゆっくりとした動作で椅子から立ち上がると、ドアのところまで移動して立ち止まる。
「んじゃ、見学してる。」
「・・・。好きにしてろ」
一度だけ彼に視線を送り、僕は部屋の中を改めて見回した。
「寂しい部屋だな。」
色の無い家具で統一され、無駄なものは一切存在しない。
「変にこだわった部屋よりは良かったじゃない?」
「こだわり?」
「そう。例えば・・・壁一面にフィギアが並んでたり、とか?」
永夜は、一瞬だけ母の部屋の方に視線を送ってから、まるで違う事を口する。
「それはやだな、絶対。」
彼の言葉から、想像してみるが、それはあまりいいものではない。
「だろ?」
「ああ。」
何から始めようかと、視線をめぐらせると、時計に目が止まった。
「・・・・・・・。なあ、今って何時?」
「へ?今?えっと、ちょっと待った。」
言い終えると、彼はリビングへと消えていく。
僕はその間にもう一度、時計へ視線をおくる。


「報告~。日付がかわる十分前・・・って何してんの?難しい顔して。」
「なあ、時計って普通一年、もしくは2年もすれば止まるよな?」
「そりゃあ、電池にも寿命があるからね、どして?」
ん、と視線だけで時計を示す。
「あれま、動いてるよ。あれ。」
首をかしげながらも時計と睨めっこを始める永夜。
「動いてるよな。」
この部屋に鍵をかけてから単純計算をしても、五年以上は軽く経っている。
「随分長持ちする電池だな。」
「それは、絶対ないだろ。お前がなんかやったんじゃないのかよ?」
「え?何で、オレ?」
絶対にないと首を降る永夜を信じることにし、話を進める。
「じゃあ、なんで動いてんだよ?」
「あ~っと、根性?」
「それ、本気で言ってる?」
「半分は。」
冗談交じりに問いかけたが、彼は本気で答えを返す。
根性で電池が動くなら、世の中もっと楽に進んでいかないか?
「聞いた俺がバカだったよ。」
「何、それ?オレ変なこと言った?」
「いや、もういい。」
「何?どうすんの?」
僕の行動を見ていた、永夜が問いかけてくる。
「時計、外してみようと思って」
「ああ、なるほど。」
机に備え付けの椅子を持ち出し、時計の真下へ持って行く。
「ちょっと、押さえてろ」
キャスター付で回転する椅子の上に乗るのには結構神経が必要だ。
「オレが乗ったほうが早いんじゃない?」
「どういう意味だ?」
乗ろうとして、片足をかけたところで永夜に止められる。
「かなた、お前の方が落ちる可能性が高いって事。」
「悪かったな、運動神経最悪で。」
足を下ろし、彼に場所を譲る。
「そこまでは言ってないし、そもそもこれは運動神経よりもバランス力の問題でしょ?」
「永夜、お前俺に喧嘩売ってる?」
「なんで、そんな風に捕らえるかなぁ。」

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