気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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ここ数日で大分生活習慣が乱れたように感じるのは気のせいだろうか?
目覚ましもセットしないで寝たのが悪かったのだろう。
「十一時か・・・。」
枕元の時計を見ながら、僕はため息をつく。出かける予定が有る身としては、遅すぎる起床時間だ。
「そういえば・・・。」
永夜は起きてるだろうか?
適当に着替えて、リビングへと向かう。彼はソファーの上で寝ているはずだ。
扉を押し開け、中を見回す。
カーテンも開いておらず、明かりも点いていない部屋は、昼間だというのに薄暗い。
部屋の中ほどまで進み、彼の存在を確かめる。
「あれ?」
どうやら、ソファーの上にはいないらしい。
「永夜?」
どこともなく呼びかけてみるが、返事はない。
部屋の中央までやってきて、ぐるりと一周見回してみるが、それらしい影はない。
「どこいった・・・・?」
分けのわからない、焦燥感がやってくる。
誰もいない部屋。良く見れば、誰かが寝ていた気配なんて微塵も感じない。自然と下唇をかみ締める。
そんなはずはない。
理解のしようがない気持ちを押し込め、もう一度部屋を見る。
「あ。」
カウンターに置かれていたものに、目が止まる。
止まる事のない時計に、茶色の封筒。それを見て、少しばかり焦燥感が和らいだ。
夢だったのかもしれない。
一瞬でも思ってしまったことを後悔する。
じゃあ、なぜ彼は部屋の中にいないのだ?
ふっと思い立ち、部屋を小走りに駆け抜ける。目指す場所はいくつかある。


コンコン。
「おい、いるか?」
ドアを叩き、呼びかけるが返事はない。
念のためと思い、扉を開くが、そこに彼の姿はない。
次・・・。
断りもなく、洗面台へと続くドアを力任せに開く。
そこには、当たり前のように静まり返った空間が広がるだけで、何も存在はしなかった。
「・・・っ。」
扉を開けたまま次の行動に移る。
今さっき見たばかりのトイレのドアを再びあける。
もちろん、そこには何も存在しない。
しばらく、何を考えるわけでもなく立ち尽くす。他の部屋には全て鍵が掛けてある。
では、どこに?
まさかと思い自分の部屋に向かった。勢い余ってドアノブが手から離れ、壁にぶつかる。
やはり、そこには誰もいない。
「靴・・・。」
ここにきて漸く気づき、慌てて玄関へ走る。
「・・・!?」
必要最低限のものしか置かれていないそこには、靴が一足おかれているだけだった。
どうして?
そんな言葉が浮かぶ。
考えるより先に、体が動いた。重たく閉ざされた扉の向こうにはバカみたいに明るい空間があり、遠くの方でエレベーターが到着した事を知らせるマヌケな音が響く。
玄関に敷かれた石の冷たさで、全身に寒気が襲い我に帰り、ドアを閉めて寄りかかった。
なぜだ?
自分は何をしてる?
「何」を探してる?
「ダレ」を探してる?
一度たった鳥肌は中々消える事はない。
一度産まれてしまった思いを消し去る事はできない。
一度発せられた言葉は取り消す事はできない。
明かりもついてない部屋は、外の空気と関係ナシに色々なものを連れてくる。
この場にいたってしょうがない。

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