気の向くままに徒然と・・・
| Admin | Write | Comment |
カウンター
New!
~足跡~
[01/12 館主 遼]
[01/12 nameress]
[05/20 館主 遼]
[05/20 蒼月薫]
[04/11 館主 遼]
プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
Letter
バーコード
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「なんか、いいね。冒険してるみたいじゃん。」
「そうか?じゃあ、俺らは遭難中だな。」
「何で?」
「気分的に。」
「さすが、かなた。盛り下げるのは得意だね。」
「いいから、さっさと進め。」
「はいはい。」
「はい、は一回。」
「・・・・・・・・。何かオレ、すっごい損してない?」
「急に何の話だ?」
「いろいろと。」
ガサガサと豪快に彼は進んでゆく。葉の種類によっては手を切る可能性もあるというのに、それをまったく気にしていない。
「お前の色々は、範囲が広すぎてわからない。」
「だから、いろいろなんだよ。」
「要するに、逃げだよな?」
「よいっしょと、はい到着。かなた、鍵。」
肯定も否定も返ってこない。
「人の質問は無視か?って、うわぁ、ゴミだらけだな。」
彼の姿を見て、思わず声をあげる。全身、葉っぱまみれだ。
「お互いにね。」
「だよな。」
ある程度払ったところであきらめる。細かいものまでは無理があるのだ。
「鍵か・・・。やっぱこれだよな。」
「だと、思うよ。」
昨日も話題にしたウォード錠。確かに、外見からもぴったりな鍵だ。重たそうなドアはあからさまに重厚な雰囲気をかもし出している。
やはり、古さからか、鍵を差すのにも苦労する。しかし、先ほどの門扉より鍵はすんなりと開く。
「開いた。」
一呼吸置いて取っ手に手をかけた。押すのか引くのか一瞬迷ったが、玄関は普通引いてあけるもんだろう。
普段開け閉めしようているドアよりも何倍も重たいそれは、ゆっくりと開かれる。
「うわ・・・。」


「お化け屋敷。」
雰囲気的に出てくるのは、ドラキュラ伯爵か動く甲冑か。
屋敷の中はひどい状態だった。
まず玄関の先に広がるのは、小さな二階まで吹き抜けになっているホール。上からは大きなシャンデリアがぶら下がっている。正面には大きな階段があり、それが2階まで繋がっている。
しかし、状態がひどいのでどれもあまりいい雰囲気はない。
蜘蛛の巣がどこもかしこも張られており、シャンデリアも壊れてはいないものの黒ずんでいる。
「くしゃみでそう。」
「ホコリっぽいもんな。」
床には絨毯が敷かれており、一歩踏み出すごとにホコリが湧き出てくる。
ホール中央まで進むと、左右に分かれる道が存在した。
「どっち行く?」
永夜に聞かれ僕は左右を見比べる。どちらも、同じ距離だけ廊下があり、突き当りの壁に窓が存在するが、何しろ明り取りの窓が一枚ずつしかないので細部までは見えない。
「明かり持ってくれば良かったな。」
「今から戻る?」
「遠慮しとく。」
「ですよね。」
なんとなく選んだ左側へと足をむける。しばらく進むと一枚目の扉を発見し手をかけるが、そのホコリっぽさに思わず、手を引っ込めた。
「何?どうした?」
「すっごい汚いかも・・・。」
手のひらを見るが、薄暗くてはっきりとは見えない。
しかし、ここでためらっていても仕方がないので、もう一度取っ手に手をかける。
「あ・・・。そりゃあ、そうだよな。」
「今度は何?」
「鍵閉まってる。」
「ああ、なるほど。」
当然といえば当然だ。
「やっぱ。こっちもだよ。多分、全部だね。」
永夜が向かい側の扉に手をかけてから振り返る。
この屋敷の中に扉がいくつあるか分からないが、生憎僕はそんなに鍵を持っていない。
「どこかにあるのか?」
手元の鍵はあと一つだ。さきほど使った鍵と違い比較的新しい。これはまた別物だと考えた方がいいだろう。部屋の扉の鍵はこの屋敷のどこかだ。きっと。

PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[189] [190] [196] [197] [201] [204] [205] [207] [208] [210] [211]
忍者ブログ [PR]
material by:=ポカポカ色=