夢を見た
僕の
最初で最後の
親友は
もういない
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何でもないよ
と笑うキミ
僕には泣き顔にしか見えないよ
世の中全てが
敵に見えるんだ
真剣な顔してそんな事を言う
じゃあ 僕は?
音にならなかった声
乾いた笑みを浮かべながら
何かに取り憑かれたように語るキミ
内容のない言葉の羅列
僕はただ
頷いてるだけ
何もできない自身が憎かった
知っているのに
分かっているのに
何も出来なかった
キミは何度も
僕に助けを求めたのに
僕は
キミの手を取ることができなかった
今でも聞こえるキミの声
いつものように小さく別れを告げる
「ありがとう」
と笑いながらキミは言った
いつもなら
「またね」
って言葉がついてくるはずなのに
キミの声が
最後の言葉を告げた瞬間
僕は
動けなかった
ただ
手を振って
見送るだけ
遠くなった背中に
どうにかして
絞りだした声
「またな」
キミは振り返って
嬉しそうに笑って
手を振った
いつもの約束の場所で
キミを待った
2時間
3日
1週間
6ヶ月
10年
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あれから二度と現れない
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ただ自分を許したいだけなのかもしれない
今もキミがいることを
存在していることを確かめて
キミを助けられなかった
僕の過去の罪を消し去り
重くのしかかる記憶から
逃げたいがために
キミを待っているのかもしれない
流れる涙はダレのため?
嘲り笑う誰かの声
今でも
時々夢を見る
僕が見た
最期のキミの姿
悲しそうで
嬉しそうで
時が止まった僕の記憶
H20,02,11