「そんな理由で、ハイレベルな力使って低レベルなケンカされたらこっちが迷惑だ。次からは場所考えろ」
「了解」
シュタがとりあえずの返事を返すとレイスが睨む。場所が違えばいいのかという言葉は場の空気を読んで引っ込めた。
「シュタルク?思ってもいないのに返事するなって言われてなかった?」
「そんなことも言われてたね」
「ついでに、アキシェ。思ってなくても返事ぐらいしろって言われてただろ」
「言われてたな」
レイスが言ったのはお互いに教師に注意されていた言葉だ。
シュタは従う気もないのに、気持ちのいい返事をし、自分の場合はやる気があろうがなかろうが、まったく返事をしていなかった
それを卒業するまでずっと言われ続けていたのを思い出す。
「くっくくく…」
「変わってないね、二人とも。ふははは」
「それは、お前もだろ。レイス」
シュタが笑い始めて、それがレイスに伝染する。すると、何故だか可笑しく思えてくる。
3人でしばらく笑いあって、何かに気づいたのかシュタが尋ねる。
「それで、何の用なのレイス?」
「そうだ、夕飯にはまだ早いだろう」