気の向くままに徒然と・・・
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~足跡~
[01/12 館主 遼]
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[05/20 館主 遼]
[05/20 蒼月薫]
[04/11 館主 遼]
プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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「レイスや、理事が何か隠しているのは気づいたけれど。それが、何かまでは僕は知らない。そんな焦って聞く必要がないと思ったんだ」
何かに言いよどむ俺に気づいてシュタが自ら説明する。
「そうなのか?」
「うん」
来たときにすぐに気づくべきだった。寮が静かなのはただ授業中のためだと思っていたが、それもおかしい。
自分たちはさきほど、校舎で補習中の生徒に会っている。
そもそも、今は長期休暇に入ったばかりの時期で授業はないのだ。たしかに、長い休みに家に帰る生徒は多いが、ほとんどの生徒は家が遠すぎて帰れない。
それに、休みはまだ始まったばかりだ。帰る生徒がいるのだったら、中盤に入ってからが多い。そして何より、明日卒業式を行うと言っている、それがいくら急遽入った予定だとしても、生徒がまったくいないのはおかしな話だ。
では、なぜこんなにも生徒がいないのか?
考えたって答えはでない。しかし、事実は目の前にある。
「でも、この寮内にまったく生徒がいないなんて」
「信じられないなら試してみればいい」
そういいながら、一番近くにあるドアをノックする。
返答はない。
念のため、ドアノブをひねる。簡単に開いてしまった。中を覗いてみるとやはり誰もいない。
「鍵を開けっ放しで外出はしないよね」
隣の部屋のドアを開けていたシュタが首をかしげながら言う。
そして、その隣へ移動し、ドアを開ける。
「鍵を開けたままでどこかへ行けと指示があったって事?」
さすがシュタ、彼は理解が早いので面倒な説明が省けて非常に助かる。
「そこまでは…。でも、もう一つ気になることがある。大地の棟について」
「がどうしたの?」
「実際に行ってみたほうが話が早い」
そう言ってレイスの様子を伺うが、彼は何も言おうとはしない。
大地の棟は来客専用の宿泊施設だ。
それを卒業式の来賓客が使っているのは分かる。しかし、それが満室になるのはどう考えてもおかしな話だ。生徒用の寮ほど大きくはないが、小さくもない。
年に1度ある、学園祭では何百人という客を招待するのだが卒業式は多くても数十人。
彼らに付いてくる使用人に部屋を貸しても余るほどだ。
では、なぜ自分たちは例外だと言われながら生徒用の寮にいるのか?
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