気の向くままに徒然と・・・
| Admin | Write | Comment |
カウンター
New!
~足跡~
[01/12 館主 遼]
[01/12 nameress]
[05/20 館主 遼]
[05/20 蒼月薫]
[04/11 館主 遼]
プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
Letter
バーコード
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「ねぇ、帰り買い物付き合ってよ!」
「ゴメン。無理、今日バイト」
「うそぉ~。今日無いって言ってなかったっけ?」
「それがさぁ~。聞いてよ!もう」
紺色のブレザーに、緑と紺のネクタイをきっちりと結び、紺地に緑のチェックの入ったスカート。制服姿の少女が2人午後の休み時間を屋上で過ごしていた。
1人は短いスカートを気にすることなくフェンスに腰掛けている。
「なんかね。もう1人いたバイトの子が急に辞めちゃってさ、昨日店長から電話かかって来て、明日出てくれって」
と、フェンスに腰掛ける少女を見上げる。
「うそぉ、急にっていつ?」
「き・の・う!朝、電話かかって来て、辞めさせてくださいだって!マジありえないよぉ~。昨日は、店長が入ったらしいんだけど、今日は違う仕事あるから頼むってさ」
「うぁ~、信じらんない。何考えてるんだろうね、その子」
「ホント、ありえないよ。で?買い物って?」
「あぁ。うん、あのね、腕時計欲しいんだ」
「腕時計?何でまた。」
「ん~?合ったら便利かなって」
「変な理由」
「そう?」
「うん」
キーンコーンカーンコーン・・・
丁度二人の会話が終ったところで、チャイムが休み時間の終了を告げる。
「あれ?もう終わり?教室戻ろ?」
「うん。よっと!」
軽く掛け声をかけ、フェンスに腰掛けていた少女が飛び降りる。
タン。と着地すると短いスカートがヒラリとめくれ上がる。
「もう。スカートなんだからよしなよぉ」
「いいじゃん。誰も見てないんだから」
「そうゆう問題じゃないって」
「そう?」
「うん」
4階建ての校舎は高台にあるという理由からも、かなり広い範囲に渡って見渡せる。
その屋上ともなれば、景色は抜群だ。
これといった目玉はなくとも、遠くが見えるということは気分がいい。
だから、少女たちは長い休み時間は、狭い教室ではなくこの屋上で過ごす事に決めていた。
校舎内に続く扉を開きながら、彼女達は止まらないおしゃべりを続けている。
「じゃあ、1人で行こうかなぁ」
「そんなに欲しいの?腕時計」
「うん。何か一回欲しいなって思ったら、止まらなくて」
「ふーん。相変わらずって感じね?瑞希」
「そう?」
「うん」
この短い間で繰り返されるやり取りは、彼女たち独特のものらしい。
どこか、冷たい感じも受けるが彼女たちにとっては意思の疎通には欠かせないやり取りなのだろう。

少女達が教室に戻ってくると、まだ授業が始まっていないらしくクラスメイト達が思い思いの場所でお喋りに興じている。
「ねぇ~、由月、次ってなんだっけ?」
「え~っと・・・・」
「次は、数学です。相変わらずだね二人とも、屋上寒くない?」
2人して、思い出そうと頭を抱えていると背後から声を掛けれる。
「あれ、玲、いつ来たの?さっきはいなかったよね?」
「残念。実はいました、4時間目の途中にね」
「今日はもう来ないかと思ってた」
「ひどい、ゆんちゃん」
3人目の少女はどうやら、遅刻と欠席の常習犯らしく会話の内容はけして良いものではない。
「あっ、ねぇねぇ、玲、今日の帰り暇?」
「ん?何で?」
「買い物付き合ってほしいの!」
「何か、ほしい物あるの?」
「ん~、ちょっとねぇ」
そんな風に、瑞希が答えを濁すと玲はしばらく考え込む仕草をみせる。
「んじゃあさ、瑞希!私にもつきあって!」
そして、名案だと言わんばかりに瑞希に提案をする。
「どこか、行きたいトコあるの?」
不思議そうに尋ねる瑞希に玲は楽しそうに答えを返す。
「うん!なんかね、噂聞いたんだ」
「噂?」
「そう。これが、結構よさそうな感じなの!」
「何?どんな話し?」
「なんかね、おもしろい雑貨屋さんがあるって」
「「どこに?」」
と由月と瑞希の声が重なる。
「隣の駅だって、あっ、先生来た。詳しい話は後でね」
と3人目の少女こと玲はさっさと自分の席へと戻っていく。
「だって。由月聞いたことある?」
聞かれた由月は黙って首を振る。
「瑞希は?」
「私もない」
「瑞希も知らない噂話し、なんて珍しいね」
「そう?」
「うん」
そんな会話を最後に、二人も自分の席へと向かう。
これから、2時間はまともなお喋りは楽しめないだろう。
短い休み時間中はあまり席を動かないから彼女たちはそれぞれ別の相手と話をするのだ。


PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[53] [52] [51] [50] [29] [32] [38] [45] [42] [41] [46]
忍者ブログ [PR]
material by:=ポカポカ色=