気の向くままに徒然と・・・
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[04/11 館主 遼]
プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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「ほら、お前ら、全員席に着け。学級委員、号令!」
ガヤガヤと騒々しい教室で、担任の先生が叫んでいる。だか、聞こえている生徒は誰一人としていないらしく、静かになる気配はない。
「チャイムはとっくの昔に鳴ってるんだ!お前ら席につけ!」
先ほどよりも、語気をあらげ、再び叫ぶ。
「大変だよな。先生って。」
ポツリと僕の目の前で、頬杖を付きながら呟く奴がいる。
「大変だよな、って言うなら席に戻ってやれよ。」
「ヤダね。」
「何で?」
「なんとなく。」
「反抗期。」
こうして、会話をしている間にも、先生はがんばっている。しばらくは、このままだろう。
高校に入学してから、半年。夏休みも終わったばかりで、これからは、文化祭や体育祭、楽しいイベントが待っている。そんなこんなで浮き足立った生徒たちを静まらせるのは大変だろう。騒々しい理由はそれだけではないが…。
「おい!学級委員!ちょっと、前、来い!一ノ瀬!村上!」
「あれま、かなた、ご指名じゃん。行ってらっさい。」
「めんどー。」
「おお、反抗期?って行かないのかよ。」
「行くよ。行かない方が面倒な事になる。」



初めて着る制服、初めて通る道、初めて入る敷地。
なんとなくで入った高校は、桜の綺麗な学校だった。
校門をくぐると体育館まで続く坂道に桜並木が続いていた。
僕の前を桜を見上げながら、歩く親子連れが何組か歩いている。
そんな中一人ポツンと立ち止まり、桜を見上げている少年が目に留まる。
どこか寂しげな雰囲気で佇む彼は、少し不思議な雰囲気がある。
枝の間から差し込む日の光りを浴びて、色素の薄い髪が一瞬金髪に見えた。
桜から目を離し、彼が僕の方へと振り向いた。
その時、自分が立ち止まっていた事に気づく。
当然のように目が合う。
気まずそうな顔をした後、ニッコリと笑い彼は軽く手を上げた。
「よっ!キミも一人?」
返事はせずに沈黙で返す僕に、彼は苦笑する。
「な~んで、初日からそんなにテンション低いのさ。これから、ウキウキ素敵学園ライフが始まるんだからさ。もっと笑顔で行こうよ」
ペラペラと不可思議な事を喋る少年は、先ほどまでの雰囲気がガラリと変わっていた。



夢と現実の境目とはどこだろうか?

目が覚めたら永夜は居なくなっていた。
夢を見ていた気がするが、いったいそれがどんな夢だったかが思い出せない。
確か、昔の夢だ。
時計を見ると、後数分で日付が変わるところだった。
聞きたいことがいくつかあったのに、あいつはすぐに逃げる癖がある。
「最後まできちんと説明していけよな・・・。」
ぽつりと呟いた声はなぜだかとても大きく聞こえた。
今では、永夜の言っていた事が分かる気がする。どうやら僕は本当に、9年も前に彼と「契約」とやらを交わしていたらしい、という考えが強くなっていた。いまいち、分からない事だらけだが・・・。
しかし、寝て起きただけだというのに、この気分の違いは何だろう?

頭の中を整理しよう。それから明日、もう一度、永夜と真剣に話をしなければならない。

何のための空白だったのか・・・?
どうして、記憶が飛んだのか・・・?
等々・・・。



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