結局ケーキ屋にたどり着いたのは日が沈みかけたころだった。
スーパーの荷物が思ったよりも多く、一旦家に置いてきた。そのとき、一緒に風船と帽子も置いてきたかったが上手くはいかなかった。
「なあ、帰りは大通りから帰ろうよ」
「嫌だ。お前、今何のために遠回りしきたと思ってるんだよ」
駅から大分離れた場所に目的のケーキ屋と一緒に並んであったのは、喫茶店だ。
そこの扉の横にぶら下がった看板に目がいく。
『硝子手紙~ボトルレター』OPEN
「面白い名前だな」
「なにが?」
呟いた独り言が聞こえていたらしく、彼が聞いてくる。
「別に」
「あ、そう?ここのケーキさ、そっちでも食べれるんだって」
ケーキ屋を指差してからスライドして喫茶店を指差す。
「え?」
「こないだ来たときに、お姉さんが教えてくれた」
「へぇ。で、これなんて読むんだ?」
ケーキ屋の扉にある『Epatica』と書かれた小さなプレートは僕には読み取れない。
「エパティカ。イタリア語で雪割草・・・だったかな?」
「イタリア語?・・・」
ちりりん。
僕の声に重なり綺麗な鈴の音がする。ケーキ屋から一人の男性が出てきた。手には綺麗にラッピングされたケーキと大きな箱を持っている。そして、扉の前にいた永夜に目を止め動きが止まる。
「面白いねキミ。クリスマス一色だ」
「だって、オレは今日サンタだから」
「へぇ~なるほど。いいねぇそれ。プレゼントを配るの?」
「そ、オレが配るのは物じゃなくて、夢だけどね」
「たとえば?」
「クリスマスだからね。ダレもが笑顔になれるように」
楽しそうに笑う永夜に対し、言われた男は不思議そうな顔をする。
「じゃあ、おじさんが、息子のためにサンタになれるようにコレをあげよう」
そう言いながら、彼は被っていた帽子を外し、男に渡す。
「そして、ダレもがみんな誰かのサンタになれるように・・・」
彼が僕に視線を向けたのを確認してから扉に手をかける。そして、まだその場を動かない男を振り返り手を振る。
「「メリークリスマス!!」」
*・。*あなたは今日、ダレのためにサンタクロースになりますか?*。・゜*・。
スミマセン。。
やっちゃいました。
どうしても、彼らを持ってきたのです・・・。
しかも、最後に 笑。
いやぁ、ダレをどう絡ませるのか悩んだ悩んだ。。
前日までのやつに所々不自然に出てくる彼らには気づきまして?
そんな訳で、ケーキ屋以外の共通点は並木道と彼らという訳でした。。
この妙な共通点、自分でやっといてアレなんですが、結構大変デシタ。
でも、やるならとことんこだわってみました!!
皆様いかがだったでしょう??
そんなこんなは置いといて・・・・
めりぃ~くりすますっ!!
皆様に、はっぴぃなクリスマスが訪れますように・・・。。