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プロフィール
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遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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「夏といえば?」

「は?」

梅雨に入りジメッとした暑さにイライラし始めるこの時期。

雨が降る日は、気温が下がり過ごしやすいが、涼しすぎる日もある。一旦晴れると気温は上昇する。下手をすると前日との気温差が10度以上。

そんな、様変わりする天気にも腹が立つ。

そんな中、彼の突発的な言葉は僕の感情を逆撫でることしかしない。

「何?機嫌悪いの?オレ、なんかした?」

たった一言でも何かを読み取ったらしい。

尋ねてくるが生憎それが、無性に腹が立つ。

「別に、それより。何だよ、夏といえばって」

「あ~っと…」

何かくだらない事を言おうとしていたのだろう。僕の表情を伺い言いよどむ。

そのまま宙を睨んだまま、言葉を発さない。

「何でもないならいい。部屋にいる」

「わ!待った。あ、そうだ!かなた、散歩行こう!!

「いってらっしゃい」

そんな言葉と共に少し微笑み、僕はその場を後にする。

しかし、負けまいと彼の声は飛んでくる。

「いや、ダメだ。今日を逃したらもうないかもしれない!」

「何が?」

廊下で足を止め彼に振り返る。

「だって、良く見ろ!外は曇って、風も無い。気温も20度以上。ましてや、天気予報では今日は雨が降らないって!これは、チャンスだ!てか、オレすごい。よく気がついた!!

いつも以上にテンションの高い彼にはもう何を言っても無駄だ。

この辺で、諦めておかないと面倒な事になるのは経験上分かりきっている。

「分かった。付き合ってやるから、説明しろ」

「だから、かなた。夏といえば?」

「暑い」

「それ以外で」

「…海」

「あら?意外な答え…じゃなくて、他には?」


「花火」

「あ、近い!」

「祭り」

「ん~…」

「何が言いたい」

「歩きながら話そう。時間がない」

「…言っておく。無駄な事だったら許さないぞ」

「分かってますって。何年の付き合いだと思ってるのさ。オレだって無駄に思いついたりしなよ」

「お前の思いつきが、無駄じゃなかった事があったか?」

「失礼な…」

そんな事を言いながらも彼について玄関を出る。

扉を開けた瞬間、相変わらずジメッとした空気は変わらない。

それでも、夕方に降った雨のおかげで気温は下がり、思った以上に過ごしやすい。

部屋に嫌な空気が溜まっていたらしい、帰ったら空気を入れかえよう。

「それで、かなた!他には?」

「…降参」

「な、なしだろ?それは」

本気で驚いたらしい。歩いていた足を止めこちらを凝視する。

「もう、考えのめんどい」

「…じゃあ、オレも。説明しない」

「お前な…」

「まあまあ、近くなったらちゃんとするから」

そういって彼は再び歩き出す。

しかし、僕は歩き出さない。

「分かった、ヒント出そう」

軽くステップつきで振り返る。

「源氏と平家とお姫様」

「何?」

言われた言葉を頭の中で繰り返す。

日本史とか平家物語とか浮かぶがそれは絶対に違うだろう。

夏と言えばか・・・。

「あ、しまった。明かり持ってくりゃ良かった」

先を行く永夜がそんな風に言うのが聞こえる。見れば結構先を歩いていた。

ふと気になり腕時計を見ると、7時半を過ぎている。

次に空を見上げて再び歩き出した。

しばらく行くと町外れの森林公園にたどり着く。
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