大きな 大きな
鉄の固まりが
気持ち良さそうに空を飛ぶ
あんなに大きなものが飛べるのに
どうして
僕ら人間は
飛べないのだろう
はるか高い位置を飛行機はゆく
青空の中で一つの小さな点になる
そんなに高く早く飛びたいわけじゃない
ほんの少し
いつもより高い場所を
ほんの少し
いつもより遅いスピードで
自由に飛べたらどんなに素敵だろう
僕には大きな翼も
力強いエンジンもない
あるのは「想い」だけ
あの美しい大空を
恋い焦がれるこの「想い」
飛び行く飛行機眺めながら
その姿を焼き付ける
2つの翼に1つの尾翼
真っすぐに目的地に向かい飛び立つあの姿
小さく小さくなりゆくあの姿
音と共に心にしかと焼き付ける
いつか
滑走路を走り飛び立つ飛行機を
己の力で動かしたい
どんなに素敵な事だろう?
どんなに素晴らしい事だろう?
けれど
やっぱり
この身1つで空を飛びたい
夢の中では自由に飛べるのに
リアルではこの身は重すぎる
遠く遠く目の前を
飛行機が真っ直ぐ飛んで行く
飛べない僕の代わりに
今日も飛行機は大空へ飛び立つ
H18.08.02
ciel