気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
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遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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・*・。*『くだらない会話 編』・*。・*


「決めた!今年オレはサンタになる!」
「どうぞ、ご自由に」
赤鼻のトナカイ・ジングルベルなど、クリスマスメドレーも歌いながら歩いていた彼が、突然振り返りそんな事を言う。
「・・・ノリが悪いなぁ。折角のクリスマスなんだからもっと盛り上がっていこうよ」
「お前のテンションが高すぎるんだよ」
僕らは今、町外れの教会から駅へと向かう途中、ぶらぶらと男二人でクリスマスイブをのんびりと過ごしていた。
彼の言動がおかしいのはいつもの事だが、今日はその格好までもがおかしい。先ほど教会で配られたサンタの風船をコートの金具に結びつけそれを後ろへ流している。そして、頭にはサンタの帽子を被っていた。できる事なら一緒には歩きたくない。
「んじゃ、帰りにケーキ屋寄って行こう。ほら」
そう言いながら、彼が見せたのは「ご注文票(お客様控え)」とか書かれた紙だ。
それには、「クリスマスケーキ・スペシャルブッシュドノエル」にチェックマークがついている。
「お前、これいつ買った?」
「先月の末くらいかな?店の前通ったら、予約受付け中って書いてあったから」
思わず深いため息が出る。何で、こいつはこんなに行き当たりばったりなんだ。
「まあ、ともかく。今夜は素敵なクリスマス。そんな夜を面白おかしくHAPPYに過ごしましょう!」
呆れる僕を他所に彼は浮かれた調子で歩き続ける。今にもスキップでも始めそうだ。
「クリスマス?今夜はまだイブだろ?」
「違うんだな、これが」
彼の言いたい事がわからず、僕は首をかしげる。24日にはイブではないのか?
「クリスマスがどこのどなたのイベントか知ってる?」
「そりゃ、キリストの・・・」
「そ。そのキリスト教の方々にとっては、今夜、日が沈んだらクリスマス当日なの」
「は?」
「だから、彼ら日の出日の入りで数えるわけよ。よく、考えてみんよ。クリスマスの夜より、イブの夜のほうが盛り上がって無い?」
「確かに」
25日はどこか終わってしまったような雰囲気が漂っている。
「そんな訳で、今夜はオレらがサンタな訳」
「で?」
話が急に変わったが、この後に続く言葉に嫌な予感がする。
「で、良い子のみんなにプレゼントを配るのさ」
「どうぞ、ご自由に」
そして、会話が振り出しに戻る。

小学校の近くを通っていると、たくさんの子どもたちが歩いている。ちょうど、終わった時刻らしい。
「今日は終業式か」
「永夜、お前それ取れ」
「それって?」
さすがに、小学生の視線は痛い。
「わぁ~、何でそんな風船つけてんだよ!兄ちゃんどこの人?」
案の定、小学生に絡まれる。
「なんだ、ガキども。サンタをしらないのか?」
「知ってるよ。それくらい。なあ。ゆう?」
元気な少年に振られ、もう一人いた大人しそう子がコクコクと首を縦に振る。
「じゃあ、お前らもちょい態度に気をつけな、じゃなきゃもらえるもんも貰えなくなるぞ」
「ははは!ばっかでーお兄ちゃん。サンタなんて信じてんの?」
「何を言うか、サンタはいるんだぞ!お前らもしかして、見たこと無い?」
「あるわけないじゃん。なあ?」
「うん・・・・」
「それは残念だ。ちなみに、オレは会ったこともあるぞ?今度アイルランドに行ってみな」
「あいるらんど?」
「あ、ぼく。それ知ってる」
永夜と小学生二人組みのサンタ討論はしばらく続く。彼らから少し離れたところで待つ僕と、おかしな3人組とを交互に見比べながら通行人が通り過ぎてゆく。


永夜が予約したケーキ屋に行くには駅を超えなければならない。駅前はクリスマスというだけあって、いつも以上に人がいるように見えた。気のせいじゃなければ、そのダレもがみな笑顔だ。
「永夜」
「ん?」
「スーパー寄って行こう。ケーキは夕方でも遅くはないだろ?」
「さんせー」
問題は今日のメニューだ。
「クリスマスだから」
「やっぱ、チキンは欠かせないだろ?」
「・・・他には?」
「ポテトサラダ?」
「あ、それいいわね」
たまたま隣にいた女性が声をあげる。
「ですよねぇ?」
何故か永夜が会話を持ちかける。
「どうしようかと悩んでたのよ。2人しかいないから、そんな凝ったもの作ってもしょうがないし」
「2人って事は、旦那さんっすか?」
「ええ」
「じゃあ、旦那さんに惚れ直させるいい機会じゃないっすか?」
「そう?」
「そうっすよ!ぱっぱととド派手な料理作って旦那さんをあっと言わせて見ては?」
永夜の言葉を聞き、女性は笑いながら、変な子ねぇと言葉を漏らす。それには僕も同感だ。
彼の背後には相変わらずサンタ風船が浮いているし、頭には真っ赤なサンタの帽子が乗っている。
「そうねぇ。たまには主人のためのクリスマスもいいかもしれないわね」
彼女は最後にそんな言葉を残し去っていく。
「かなた。どうすんの?」
「何が?」
「夕飯」
「さぁな」


結局ケーキ屋にたどり着いたのは日が沈みかけたころだった。
スーパーの荷物が思ったよりも多く、一旦家に置いてきた。そのとき、一緒に風船と帽子も置いてきたかったが上手くはいかなかった。
「なあ、帰りは大通りから帰ろうよ」
「嫌だ。お前、今何のために遠回りしきたと思ってるんだよ」
駅から大分離れた場所に目的のケーキ屋と一緒に並んであったのは、喫茶店だ。
そこの扉の横にぶら下がった看板に目がいく。
『硝子手紙~ボトルレター』OPEN
「面白い名前だな」
「なにが?」
呟いた独り言が聞こえていたらしく、彼が聞いてくる。
「別に」
「あ、そう?ここのケーキさ、そっちでも食べれるんだって」
ケーキ屋を指差してからスライドして喫茶店を指差す。
「え?」
「こないだ来たときに、お姉さんが教えてくれた」
「へぇ。で、これなんて読むんだ?」
ケーキ屋の扉にある『Epatica』と書かれた小さなプレートは僕には読み取れない。
「エパティカ。イタリア語で雪割草・・・だったかな?」
「イタリア語?・・・」
ちりりん。
僕の声に重なり綺麗な鈴の音がする。ケーキ屋から一人の男性が出てきた。手には綺麗にラッピングされたケーキと大きな箱を持っている。そして、扉の前にいた永夜に目を止め動きが止まる。
「面白いねキミ。クリスマス一色だ」
「だって、オレは今日サンタだから」
「へぇ~なるほど。いいねぇそれ。プレゼントを配るの?」
「そ、オレが配るのは物じゃなくて、夢だけどね」
「たとえば?」
「クリスマスだからね。ダレもが笑顔になれるように」
楽しそうに笑う永夜に対し、言われた男は不思議そうな顔をする。
「じゃあ、おじさんが、息子のためにサンタになれるようにコレをあげよう」
そう言いながら、彼は被っていた帽子を外し、男に渡す。
「そして、ダレもがみんな誰かのサンタになれるように・・・」
彼が僕に視線を向けたのを確認してから扉に手をかける。そして、まだその場を動かない男を振り返り手を振る。

「「メリークリスマス!!」」

*・。*あなたは今日、ダレのためにサンタクロースになりますか?*。・゜*・。




スミマセン。。
やっちゃいました。
どうしても、彼らを持ってきたのです・・・。
しかも、最後に 笑。
いやぁ、ダレをどう絡ませるのか悩んだ悩んだ。。
前日までのやつに所々不自然に出てくる彼らには気づきまして?
そんな訳で、ケーキ屋以外の共通点は並木道と彼らという訳でした。。
この妙な共通点、自分でやっといてアレなんですが、結構大変デシタ。
でも、やるならとことんこだわってみました!!

皆様いかがだったでしょう??

そんなこんなは置いといて・・・・



めりぃ~くりすますっ!!
皆様に、はっぴぃなクリスマスが訪れますように・・・。。

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