気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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「あった・・・。」
クリアーキーを押してから、数字を打ち込む。
「ゼロ、サン、イチイチ?」
永夜がなぜか僕が打った数字を読み上げて考え始める。
あらかじめ差してあった鍵を回す。カチっと軽い音が響き、ロックが外れたことを知らせた。
「開いた。」
「お前の誕生日じゃん。」
「何が?」
「そのナンバー。」
「え?」
「簡単なアナグラム。並び替えてみろよ。うんにゃ、並び替える必要もないよな、この場合。ズレてるだけだもんな。」
彼の言葉はいまいち理解できない。黙り込む僕を見て、分かっていないと気づいたらしい永夜がテンキーを使って説明を始める。
「さっきの数字0311だろ?これを、1を最初に持ってくると?」
「1031?」
「思いっきり、10月31日だろ?」
「ホントだ。」
「だろ?で、何入ってたの?」
何で?
「かなた?」
「え?」
「中身。」
「あ、ああ。」
金庫の中身に手を伸ばす。一番手前にあったものを試しに取り出してみる。
「・・・・・何だ、これ。」
「プレゼントじゃないのか?」
お互いの中にあるものはきっと同じだろう。綺麗にラッピングされた細長い箱。昨夜の出来事が甦る。
「またカギだったりしないよな?」
「だから、言うな。」
丁寧にリボンを解き、包装紙を剥がす。
中から出てきたのは結構しっかりした箱で、中身が鍵でないことを期待させる。手ごたえのある蓋を開ける。
「あ・・・・。」


「万年筆だな。プレゼント確定じゃん。」
「ダレのものかわからないだろ?」
「ったく、捻くれ者め。よく見てみろよ。」
彼に言われ、万年筆を手に取り確かめる。そして、刻まれた文字に目がいく。
Kanata.I
「ダレが、どう見てもお前宛てだろ?」
「・・・・・・・・。」
胸の奥底から何かが溢れて零れ落ちそうになるのを必死で食い止める。
今までだってそうしてきた。万年筆をポケットにしまい、金庫に視線を戻した。
「かなた?」
「あった。」
「何が?」
「部屋の鍵」
金庫の扉にぶら下がっていたものを手に取り永夜に見せる。
「ちなみに、どれがどれ?」
「俺が知ってると思うか?」
僕の問いに永夜は笑顔で誤魔化した。
「他には何も入ってないのか?」
「え?」
永夜の言葉を聞き、僕は確認するためにも金庫の中に再び手を入れた。
「何だこれ?」
手の中に納まっていたのは、薄っぺらい空色の封筒。
「普通に考えると、手紙だね。」
宛名も差出人も書かれていないし、切手も貼っていないため当たり前だが消印も押されていない。
「普通じゃない可能性の方が高いよな・・・。」
「考えるより見たほうが早いんじゃない?」
「そうだな。」
無理やり封を破り、中を取り出した。
「手紙だ・・・。」

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