気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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人というのは、恐ろしいものでその気になれば、何時間でも寝ていられるものらしい。
目が覚めたのは、お天道様が一番高い場所を通り過ぎた頃だった。
時間に表すと、午後二時を回っている。
ソファーの上で変な姿勢で寝ていたため、体のあちこちが痛い。
「っぁーっと。」
思いっきり伸びをしてみるが、あまり変化は無かった。
「風呂でも入るかな…。」
昨日から、ずっと制服を着っぱなしだった事を思い出す。
クリーニングに出すかどうか、迷ったが大して汚れていないし、皺にもなっていないから、またいつか、チャンスがあった時にする。
そういえば、クリーニング屋とかの会員制度などはどうすればいいのだろうか?ポイントカードは問題ないが、会員になるには、身分証明書の提示を求められるもの存在する。
それらは、身分証明が出来ないのでは、話にならない。
「まだ、寝てんのか?あいつ。」
起こすのは、風呂から上がってからでいいだろう。今は何より、制服を脱ぐことを優先させたかった。


「あれ?起きたのか?」
「うぃ~。はよっす。」
「はよ。」
風呂から上がると、ソファーに座ってテレビを見ている永夜がいた。
絶対、起こさなきゃ起きないと思ってたんだけどな…。
「なぁ、オレも風呂入りたい。」
「どうぞ、ある物好きに使ってくれ。タオルは棚の中に入ってる。」
「サンキュー!」
ソファーの背もたれに手を掛け、勢い良くそれを飛び越える。
「無駄な動きするやつだな…。」
「ん?何か言った?」
「いや、別に何も。そういや、風呂上がったらなんか食うか?」
口に出すつもりは無かったのに、出してしまった事に少し慌てる。
「何?何か作ってくれんの?」
嬉々として尋ねてくるが、あいにく冷蔵庫は空っぽだ。
「いや、無理。冷蔵庫が空だから、買い物いかなきゃな…。だから、今はパンしかないぞ。」
「なぁんだ。まあ、それでもいいや。腹減ったし。準備ヨロシク!」
そのまま、去っていくかと思ったら。彼は再び戻ってきた。
「答え、出たのか?」
わざわざ、僕の目の前まで戻って来て、そう聞いてくる。
「ああ。一応。」


「へぇ~。んで、何て出たんだ?」
何故か彼は、とても楽しそうに話す。彼の自然な笑顔を見ていると、こっちまで、そうゆう気分になってくる。
「知りたいのか?」
「教えてくれないのかよ?」
二人して、表情が例の妙な笑顔へ変わる。ただ、少し含まれているものに違いがあるだろうが。
「お前を見習うことにした。」
「ん?何だよ!それは、どうゆう意味だよ?」
「そのまんまの意味だよ。自分で自分に聞いてみな。」
「まあ、どっちにしろ、オレのおかげって事ね。ついでだから、そんな素晴らしいオレからアドバイス。」
何となく、引っかかる物言いをされて思わず睨んだが、彼はそんな事気にせず喋りだす。風呂へ向かいながら…。そして、僕に背中を向けながら。
「いいか、かなた。折角、生きてるんだからどうすれば、自分らしく楽しく生きられるか、楽に得して生きられるかを良く考えて生きろよ?」
そこまで、一気に喋ると一息ついて再び喋りだす。ここまで、喋った時点で、もうリビングのドアの前だ。
「それから、考える事を放棄してしまったら、その時点で人間は人間でなくなる。若干人間から外れてるオレらは、絶対に考える事を止めちゃいけないんだ。だから、悩むんじゃなくて、考えろ。悩むのと考えるのとはまったく違う事だから。」
彼らしくて、彼らしくない台詞。
どこまで、本気で言っているのだろうか?
そして、彼は振り返る。
「オレは、お前なんかよりもずーっと長生きしてるんだ。参考にしておいて損はないぞ!」
にっこりと微笑みながら、最後にそんな事を言う。
「ああ。忘れないでおくよ。」
そう、絶対に忘れない。こうやってした会話の一つ一つを覚えておかなければならないんだ。長すぎるこれからを生きるために。
どんなに、先が長くても、今日が、今日しか無いことは、この先絶対に変わらない事の一つだ。
「永夜、ありがとう。」
聞こえるか、聞こえないかの声で呟いた。
「ん?何か言ったか?あっ、そうそう、オレ、飯食ったら出かけるわ。」
やっぱ、聞こえないかと思いながら、返事をする。
もう、話題は次へと移っているのだから。
「どこ行くんだ?」
「駅。」
「何しに?」
ここまで、深く聞いてどうするのだろうか?
質問してる自分に、違和感を覚える。
「ん~。ちょっと、コインロッカーに預けた商売道具を取りにね。」
「あそ。じゃ俺は、買い物行っとくよ。」
いまいち、言ってることが分からないが、一応頷いておく。


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