「元気でね」
笑顔で手を振るきみを見ながら ぼくはうつむく
泣き顔 見られたくないって我がままかな?
「ばい、ばい」
ポツリと 一言だけ呟いた
「約束するよ、また帰ってくるから」
困ったような顔しながら きみは言う
ぼくは知ってるよ
きみが泣くのを堪えるためにする表情だって
「そしたら今度は 一緒に行こう」
そう言ったきみの声は震えてた
「ありがとう」
って言いたくて 涙堪えて
笑顔を見せた
大切な絆守りたくて
涙顔で別れるよりも 笑顔で別れた方が
またすぐに会える気がするだろう?
ぼくの顔を見たきみは
同じように笑顔になった
二人一緒に泣き笑い
大丈夫
またすぐに会えるよね
どんなに遠く離れても ぼく等のココロは繋がってる
次に会ったとき
ぼくはきっと今と同じ顔をしているよ
「「またね」」
ふたり同時に同じ言葉
発車を知らせるベルが ホームに鳴り響く
ぎこちなく閉まる扉
目の前にいるはずなのに
距離を感じる扉1枚
やがて
列車は動き出す
ぼくはその場から動かずに見送った
追いかけはしないよ
きみの言葉を信じているから
帰ってくるきみを ぼくは待とう
H18.09.17
ciel