「それ」がやって来てから今日で6日目。
明日で1週間になる。
少年にとっては、テスト初日にあたる。
1週間前から、勉強を始めていたものの妙なものに邪魔され中々本調子がでないでいた。
初日の今日は、国語と数学。
国語の方はまだなんとかなったが、数学がボロボロだった。
が、そんな事気にしていたら今日の勉強に気が入らない。
そもそも、ここ最近ほとんど集中できていないのだ。
まだ結果の分からないテストに対して、落ち込んでいてもしょうがない。
だから、明日のことだけを考える。
そして、自分の成績のために少年はある決心をしていた。
それは、犯人を捕まえる事。
捕まえる事が出来なくても、文句だけも言ったやりたい。
そう考えていたのだ。
夜中の12時ピッタリにやって来る「それ」に対抗する事を決めたのは、今日のテストが終った瞬間だ。
あまりの出来の悪さに腹がたった。
カチカチカチ・・・・。
目の前に置いてある目覚し時計の秒針の音がやけに大きく響く。
「あと、1時間か・・・。」
少年は時間ばかりが気になってしょうがないというように、先ほどから時計しか見ていない。
今、彼の目の前に広がっているのは科学の教科書だ。
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