「後は、特技として、催眠術や未来予想、言語能力やらで、後はどうでもいい細々したことが少々。」
最後のあたりになると意味がわからない。しかしその中で一番意味が分からないのは「言語能力」というやつだ。
「言語能力って?」
「ああ、これにはすっげぇ感謝!」
「だから、何なんだよ、それは。」
「世界各国の言葉が、いつでもどこでも喋れます!・・・ただし、相手から話し掛けられなきゃ意味が無い」
彼は苦笑交じりに重要な事を付け足した。
「こっちからは話かけられないって事か?」
「そ。あ、でも、日本語と英語は別だぞ?」
英語は元々、日本語は根性でと誇らしげに言う。
これは、もともと彼が契約した悪魔の力らしい。
その他も同様。
そもそも、悪魔達の世界では言葉は存在しない。しかし人間と会話しなければ、契約はできない。
そして、悪魔を召喚する国は、何も一つとは限らない。そこで、相手次第で何語でも瞬時に話せるようになっているらしい。
契約と言っても大半は、悪魔が一方的に魂をもらうものだと言う。
勉強不足な人間は死ぬために契約しているようなもので、ろくに願いも叶わないらしい。
彼の場合、数年間、部屋から一歩も出ずにただひたすらに調べていたらしい。
召喚術だけではなく、錬金術や黒魔術といったものまで。(不老不死になってからは、ついでという事で陰陽の術や風水といった様に、ありとあらゆるものを勉強したらしい。)もともと、彼の曽祖父がそうゆうもののコレクターだったため、普通では考えられないくらいの量の資料やレアなものが大量にあったのだそうだ。
・・・という事はデフェル家というのは相当な金持ちだったのだろうか?でなければ、レアなコレクションは集まらないだろう。
そんな中で、一つだけ絶対に成功する方法を見つけた。
それは、悪魔を完全に捕まえ契約後に悪魔を殺すこと。
殺られる前に殺れ、ということだろう。
それではなぜ、完璧に死んだ人間なんだ?
僕の思考とは関係なく話しは進んでいく。
「んで、後は月光。ただし、満月とその前後に限る。」
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