気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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そんな、生き方なら途中であきらめても良かったんだ。
何を目標に僕は今まで生きてきたのだろう?
近所の連中の中途半端な哀れみの視線は、思い出すだけでも腹が立つ。
クラスの連中がかけて来る言葉は、全て同情にしか聞こえなかった。
だから、高校では全てを隠して偽った。
月日が経てば、作り笑いをする事も、楽しい振りをする事も、全て旨く出来るようになった。
浮いた存在にならないように生きてきた。
そこら辺の人間と変わらないように…。

もう、慣れた。
母親がいない事も。
父親がいない事も。
胸が痛み出すのも。
独りでいることも。
意味のない嘘をつく事も。
自分を隠す事も。
無理やり、笑顔を作る事も。
答えの出ない、数々の疑問も。
気にしなければ、気にならない。
慣れてしまえば、何でもないんだ。
ああ…。
もしかしたら、何の理由も無いのかもしれない。
生きる理由も。
死ぬ理由も。
僕の存在も。
違う…
理由ではなく、資格か…?
すべては、周りがやってきた事で、僕自身は何もしていない。
だから、僕は…生きようとも、死のうとも思わなかった。
ああ、以外に納得のいく考えだ。
 お…どう…た…い?
では、どうして、今この場にいるのだろう?
何故、僕は生きている?
誰が生きろと決めたんだ?
「おい!かなた!どうした?帰って来い!」
ふっと、閉じていた世界が開けた。
「へ…?」
いつの間にか、永夜の存在を忘れていた。
いきなり、目の前にいるものだから、正直驚いた。
「目を開けたまま寝るな。器用なやつだな。」
「べ…別に寝てた訳じゃない。お前と一緒にするな。ただ…。」
「ただ?」
「考えていただけだ。」
「ふ~ん。考える、ねぇ…。あんな、痛そうな顔して?苦しそうな顔して、何考えていたわけ?」
「痛そう?」
意味が分からない。別にどこも痛くないし、苦しくもない。
コレはもう、とっくの昔に慣れたものだ。



「そうそう、眉間に皺寄せちゃってさ。」
永夜が、自分の眉間に指を押し当て、笑ったような怒った様な変な表情で聞いてくる。
それが、どうして痛いに繋がるのだろうか?
「それは、お前の話しが理解できないからだ。」
「そう?オレのせい?」
少し、おちゃらけた感じに、肩を竦めてみせる永夜に、僕は多少のむかつきを覚える。
どうして、こいつはこんなにも明るく振る舞えるのだろう。
表情豊かで、感情がしっかりと表現できて…。
何も、こいつだけじゃない。
クラスにいる連中も。
なんだってあんな、ころころと表情を変えることが出来るのだろう?
僕にはわからない。
僕の感情は作りものだから。
楽しいって何?
嬉しいってどんな感じ?
悲しいと涙がでるものだと誰が決めた?
僕は、何を感じてる?
さっぱり、分からない。
無くしたモノはたくさんある。
それこそ、数え切れないほど。
もう、何を無くしたか分からないほど、色々なものを失った。
それも、みんな…最初から無かったものだと思えば気にならない。
今の僕には必要無いんだ。
ただ一つ。
昔から、無くしたかったのに、なくならない物がココロの中にあった。
ココロの中にあるのは。
黒いモヤモヤとした感情。
気を緩めるとすぐに零れてしまいそうで、僕はそれを必死で抑える。
真っ黒な感情は、外へ出してはいけない。
だから、僕は…?
全てを隠して偽った…?
「かなたさ、何でそんなに、押さえ込もうとするんだ?」
「な…何の話だ?」
「何のって、分かってるんだろう?」
僕の心を読んだような、台詞。どうしてそんな言葉がすっと出てくる?
「お前に、何が分かる?」
主語のない会話にイライラしてくる。
コイツは何を知っている?
何故、そんな分かったような表情をしているんだ?
「何も…分からなくは無いと思うよ。全部は分からない。けど、一応これでも、人生経験は豊富なんでね。かなた。お前は何のために、生きようとしたんだ?何のためにオレと契約したんだ?」


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