気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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まだ椅子の上に立ち、ガッツポーズを保っていた永夜が見下ろしてくる。
「永夜。理由は?」
「何の?」
「お前が…、ヒサヤが不老不死になろうと思った理由。」
「ん~……いつか…な。」
「えっ?」
「いつか、な。気が向いたら話す。これから先、長いんだし。それよか、お前、もっと聞いて置かなきゃならない事がたくさんあんじゃないの?それとも何?オレの話しじゃ当てになんないって?悲しいねぇ…。」
「誰もそこまで言ってないだろう?ったく、意味もなくベラベラと喋んなよ。」
「意味もなくって…ってそんな、ひどいなぁ…。で?無いの?聞いて置きたい事。」
「ん。今のところは無い。」
「あっ、そう?」
「ああ。」
無いというよりは、何を聞いておかなければいけないのかがわからないという感じだ。
「あっ、言ってない事一つあったわ。元友人たちに会うの、絶対禁止ね。」
理由が思いつかなく、思わず眉根をよせる。
「何で?」
「だって、下手したら記憶戻して、あら大変、大混乱!になっちゃうから。」
「………。」
「こればっかりは、絶対守ってほしいんだ。」
「分かった。」
「これから、そうゆう、会っちゃいけない人間が増えてゆくんだ。覚悟しとけよ。」
声のトーンが落ちたように感じたが、ここはあえて無視をする。
彼は、今までに何人の人間に出会い、そして、分かれたのだろう。
「覚悟って…。でも、同じ町に住んでるんだ。偶然会った場合はどうすればいいんだ?」
「『会う』事はない。向こうは、お前を知らない、忘れた訳だから。お前から、話し掛けたり、余計なコンタクトを取ったりしなければ、何の問題もない。」
「つーか、何で、友達限定なんだ?他にもいるんだろう?」
「うんにゃ、一応、元友人達だけ。それぞれ、かけた暗示が違うんだよ。ご近所の皆様には、オレらの存在について、深く考えないようにって感じで、元友人達にはお前の存在を忘却させて、役所やなんかは、死亡扱い。あっ、だから、お役所やお国の世話になるのも絶対禁止な。」
「何なんだ、それは?」
というより、いったい何をすれば役所や国の世話になれるのだろう?
「ん~、だってほら、死んだ人間が急に現れたら、誰だって困るだろう?」
「困る」というレベルなのだろうか?永夜の中の基準はどこかおかしい。


「まあ、でもそれなら問題ない。あいつらに、会いたいとも思わないし、今まで会ってきた人間に何の未練も愛着もないから。」
「ぬゎ~。冷めてるねぇ、かなた。お前、ドライすぎ。今まで何を楽しみに生きてたんだよ?」
「…さあ?そういえば、死のうと思ったことは一度もないな。死にたくないと思ったことはあっても…。ん・・・・でも、生きたいと思った事も一度もないな。」
矛盾してる。
矛盾しすぎて、何が言いたいかもわからない。
「うっわ、お前、受動的に生きてるんだな?んじゃ、生きてて楽しいと思った事は?」
受動的…?
会話は確実に変な方向に向かっていた。
「……。」
こうゆう、話題は好きじゃない。
しばらく考えてみるが、そんなものまったく思いつかない。
僕は今まで何のために生きてきたのだろうか?
常に、なんとなく生きてきた。
毎日が同じ日で、同じことの繰り返し。
何の刺激も無い毎日。
いや、違うな。
毎日が同じというのはありえない。
まったく変わらないのは、僕自身だ。
今まで、何もしないで生きてきた。
自分が何もしなければ、毎日は同じで、何も変わらない。
ただ、「生きる」という行為をしていただけで、「生きよう」とは、一度だって思ったことはない。
では、何故自分は生きようとしなかったのだろう?
…………。
それすらも、分からない。
父や母がいた頃から、こんなだったろうか?
僕は、何となくで生きていたのだろうか?
否定したいのに否定できない。
そんな自分に、心底嫌気がさす。
ほら、また胸が痛み出す。

涙を流さないと誓ったのはいつの事だったか…?
身内が全員死んだのに、涙一つ見せない僕に参列者は好き放題言っていた。
貰うものだけ、貰って去っていった見知らぬ、遠い親戚だと名乗った女性はあれから一度も会ったことはない。
だから、ずっと一人で生きてきた。
誰にも頼らないと決めたんだ。


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