さくらの便り 24
「んじゃ、あの暗号めいた文については?」
自然と落ちた沈黙をクギの妙に明るい声が壊した。
「えっと、なるべく短くしようと思った結果だって」
「は?」
シンが心底呆れた声でおれの顔を見る。
「…サクくんは変な子?」
そして、微妙な沈黙後のクギの言葉。
「クギに言われたらお終いだな」
クギの言葉にシンが冷静なツッコミ。おれとしては何とも言い難い。
「ん~。ほら、サクの中では手紙は出されてない事になってるからさ。
あの文についてはそれしか書いてなかった」
水の入ったコップをとり、それを飲む。気がつけばもう空だ。
「前にも手紙を書こうと思ったけど、何を書いていいか分からずに短く書いたら暗号めいちゃって…
結局出すのを止めたって」
「そっか、手紙親父さんが勝手に出したんだもんな」
クギの言葉にうんと頷いてから、自分の中の疑問を彼らにぶつけてみる。
「んで、おれが不思議に思ったのは、何であの桜の写真だったのかなーって」
「それについては俺が聞いた」
「え?いつの間に?」
「お前が、コンビニで無駄に迷ってる間に」
「あー、あったねそんな事。お、やっと来た」
他人事のように言うクギ、それを睨むシン。
どうやら相当待たせていたらしい。
しかし、睨むシンなどまるで無視してや料理をもって来たウエイトレスを笑顔で迎える。
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