気の向くままに徒然と・・・
| Admin | Write | Comment |
カウンター
New!
~足跡~
[01/12 館主 遼]
[01/12 nameress]
[05/20 館主 遼]
[05/20 蒼月薫]
[04/11 館主 遼]
プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
Letter
バーコード
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

後編

「おかしいな・・・。」
そう呟くと、もう一度少年は覗き穴に目を合わせる。
「やっぱり、見えない。」
と彼はそう呟く。
どうやら、覗き穴の「向こう」が見えないらしい。
そんな事をしているうちに、いつの間にか、床に置かれていた目覚し時計が12時丁度を指す。
カチリ。
少し大きな音がして、それが合図だったようにいつもの「それ」がやって来た。
コンコンコン・・・。
と、1拍休んで再び音がする。
コンコンコン・・・。


真っ暗なのだ。
普段はまったっく使わないから分からないが、汚れているという訳ではないだろう。
いつもの「やつ」は、この扉1枚隔てた向こう側にいる。
だったら、扉を開けばいいだけの事だ。
現に今だって音は鳴り続けている。
向こう側に「やつ」がいるということだ。
しかし、それができない。
出来る事なら、「何が」いるのか確認してから、扉を開きたい。
いきなり開くのは、いくらなんでも怖すぎる。
こんな、意味もなく毎日いたずらをしに来る奴なんて、きっと頭がおかしいに決まってる。
だから、まずはこちらで姿を確認したいのだ。
もう一度、覗き穴に目を合わせる。
「・・・・・・」


少年は3度目の正直と言わんばかりに、もう一度覗き穴に目を合わせている。
そして、そのまま数秒。
無言のまま、「向こう側」を見ている。
扉の向こうにはまだ「それ」はいるらしく、まだ扉を叩く音は鳴り止まない。


やはり、何も見えない。
真っ暗だ。
いや、真っ暗というよりは、真っ黒だ。
これはいったいどうゆう事だ?
PR
≪ Back   Next ≫

[339] [340] [341] [342] [343] [344] [345] [346] [347] [348] [349]
忍者ブログ [PR]
material by:=ポカポカ色=