気の向くままに徒然と・・・
| Admin | Write | Comment |
カウンター
New!
~足跡~
[01/12 館主 遼]
[01/12 nameress]
[05/20 館主 遼]
[05/20 蒼月薫]
[04/11 館主 遼]
プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
Letter
バーコード
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

少し遅い時間に食べ始めた夕食も終わり、順番に風呂へ入ると、後は何もすることがなくなる。
する事が無いにも関わらず、お互いに同じ部屋に居るのだから、変な話だ。
もしかしたら、お互いに、どちらかが喋りだすのを待っているのかもしれない。
他に居場所がないというのも関係あるが…。
「けじめ、つけないか?」
そう考えていたら、向こうから話し掛けてきた。
「けじめ?」
「そう。けじめ。」
「何の?」
「これからの未来へと、これまでの過去にたいして。」
いまいち、意味が理解できずに眉をしかめる。
未来と過去のためにけじめをつける…?
「何で?」
「何でって、そうゆうもんだろ?」
「そうゆうもんなのか?」
「そう。」
「けじめをつけるって言ったって何をするんだよ?」
「かなたは何がしたい?」
「・・・・・・。」
急にそんなことを聞かれたって困る。
未来と過去のためにけじめをつける。
何をするのが、一番相応しいのだろうか?
「掃除。」
急に単語だけが飛んでくる。
「そーじ?」
上手く聞き取れず聞きかえす。
「そっ、掃除。これを期に綺麗にしておこうじゃない。ちなみにオレは、ちゃんと自分の部屋を掃除してから家を出てきたぞ。」
いつの話しだ?
「ああ、掃除ね。…って、どこを?」
後半部分をすっぱり無視して、再び尋ねる。
自慢じゃないが、どんなに忙しくても、部屋の掃除だけは欠かさずにやっている。少なくとも、こんな、夜中に掃除を始めなきゃならないような環境ではない。
「決まってんじゃん、鍵の掛かった部屋。」
言われた瞬間、何を言っているのか分からなかった。僕という人間はどうも、その手の理解力が低いらしい。
「だってさ、そろそろ開けてやってもいいんじゃない?」
彼の言うことももっともだ。
開けられない理由を考える。
考える。
考える。
思いつかない。
ただ…、開けたくないだけだ。
「ほら、いつまでもホコリだらけじゃ、部屋が可哀想だろ?」

PR
≪ Back   Next ≫

[255] [256] [257] [258] [259] [260] [261] [262] [263] [264] [265]
忍者ブログ [PR]
material by:=ポカポカ色=