気の向くままに徒然と・・・
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~足跡~
[01/12 館主 遼]
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[05/20 館主 遼]
[05/20 蒼月薫]
[04/11 館主 遼]
プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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「あちゃ~。派手だね、これは・・・。全部廊下に行っちゃったんだ」
渦巻いていた煙が晴れ、漸く見えたのは廊下と教室を遮る壁がなくなったすっきりした状態だった。
中は中で、多分生徒達がいたであろう部分だけを残して、衝撃で変わり果てた姿になっていた。ただ1ヶ所だけ、窓側だけがガラスが割れてはいるが、煤けているだけで無事らしい。
「ウェル先生、俺達も手伝いますよ」
中にいる教師に話しかけたつもりが、返ってきた言葉はまったく違うところから発せられた。
「あ!アキシェ先輩!!来てたんですか?」
「嘘、アキシェル先輩?うわ、ホントだ本物だ・・・・」
知ってる顔は1つしかないが、今年卒業試験を受けることができる学年の生徒だろう。
気がつけば、取り囲まれて身動きが取れない状態だった。
「すごいじゃん、アキ。人気者だね」
こんな状態になることを予測していたのか、シュタは少し離れたところで笑っていた。
ふと気づいた事がある。再会してから数時間経つが昔のように名を呼ばれたのは今が初めてだ。
久しぶりに彼に名を呼ばれ、益々学生時代に戻った気分になってしまう。
「シュタルク先輩も!どうしたんですか?お二人とも」
唯一、知っている後輩がシュタにも話し掛けるが、他は見ているだけで声をかけるまではしない。
憶測でしかないが、シュタは存在が遠すぎるのだろう。歴代トップの成績な上に王子だと言われたら話しかけづらいものがある。その点自分は特例ではあるが、そんな大層な家柄ではない。
「卒業証明書をもらいに来たんだ。悪い、通してくれるか?」
「ちょっと、風圧の影響が痛いな。修復できるかどうか・・・」
囲まれていたところを抜け、シュタのところへ向かう。
「難しいのか?」
「ん~、元がここまでボロボロだとな・・・」
残った部分を使っての修復を考えているらしい。
「いっそここも壊していいかな?」
「懲りないヤツだな。そう言って壊して、とんでもない形にしたのはどこの誰だ?」
彼の考えを変えたくて、過去の話を軽く持ち出した。
彼は一度、同じように吹き飛んだ教室を直すのにとんでもないことをやらかしている。
「いや、あれは僕なりのアレンジを加えて」
「その必要はないだろう。普通に直せ」
まずは壁を直し、それから割れた窓を直す。中は彼らに任せればいい。
ざっと頭の中で、自分達がやるべき事を考える。

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