気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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まずいな。
どうやら、彼の怒りに触れてしまったらしい。
仕方なく、防御魔法を使うためにも気を引きしめた。
「何やってんだ・・・お前らは?」
しかし、飛んできたのは場にそぐわないあきれ果てた声。
シュタも自分もとっさに声が出ない。
「お前ら何考えてんの?常識的に考えて、部屋でそんな派手なケンカするやつがどこにいるんだよ。それとも、何?ここが闘技場かなにかに見える?」
呼吸する間もなく、淡々と喋る彼を黙ったまま見つめる。
沈黙が落ちた場を崩したのは、シュタだった。
「レイス」
「何?」
シュタの声ににっこりと笑って返事をするレイス。
その笑顔に恐怖を覚えるのは俺だけか?
「いつ入ってきたの?」
「たった今」
相変わらず、笑顔を貼り付けたまま彼は言う。
「気づかなかった」
「だろうね。アキシェもシュタルクも真剣だったみたいだから」
レイスが歩き出し、シュタのすぐ横に刺さった剣を引き抜く。
気づかなかった自分に少なからずショックを受けた。
「アキシェ、そんなショックな顔しないでよ」
「顔に出てたか?」
「うん。すごく」
「・・・・・いくら、シュタに集中していたからとはいえ、こんな狭い部屋に人が入ってくるのに気づかないなんて・・・。仕事中なら、ありえない」
「アキシェ、これ、一応おれの特技。だから、そんなに落ち込まれると非常に困る。まあ、隠密行動得意でも、実戦ではあまり意味ないんだけど・・・」
「ああ、そうだな。忘れてた」
自分の存在を希薄にして、相手に近づくのが彼の特技だ。故に彼は接近戦を得意としている。
「ちなみに、今のはシュタルクの完全な負け」
レイスが何でもない事のように自然にそんな事を言う。しかもやたらと「完全な」に力を入れて。
「な、何で!」
ありえないとばかりにシュタがレイスの言葉に噛み付いた。

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