気の向くままに徒然と・・・
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プロフィール
HN:
遼 莉杏
性別:
非公開
自己紹介:
自称、「言の葉」使いの物書き。

遼 莉杏と書いてハルカ リアンです。


最近のマイブームは
『薬屋探偵妖綺談』シリーズ
羞恥心

創作仲間・相互リンクしてくれる方を常に募集中。
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町外れにある古びた洋館に、ありきたりな怪談話が出来上がったのはいつ頃からだろうか?
いつの間にか広がったそれはもちろん僕の耳にも入っていた。

『蔦の絡んだその西洋風の大きな建物は、この町には不釣合いだ。そんな建物だからこそ、いつの間にか子どもたちの間では幽霊屋敷と呼ばれていた。』

そんな出だしで始まる、どこにでもある物語。
けれど、そんな怪談が出回ったおかげで、周りから距離を置く事が出来たのは喜ぶべき事だろう。
近所付き合いとは結構面倒くさいものなのだ。

『人が住んでいるのかいないのか、ダレも確かめたものはいない。人が住んでる気配はあるけれど、誰もその人間を見たことがないし、生活感というものが感じられないのだ。』

迷い込んでくるのは、近所の猫くらいで、他に来客はない。別に隠れて住んでいるわけではない。買い物にだって行くし、他にすることもないので、未だに学校にだって行っている。普通に出入りをしているけれど、周りはそれを見たことがないと評するのだ。

『けれども、屋敷からは壊れたレコードの音が響き、いつも開いているカーテンが、満月の夜だけは閉じられている。』

最初にその話を聞いた時、僕は思わず笑ってしまった。
雑草だらけだった時は何の話も無かったのに、人が住み始めた途端に広まった。
怪談話や都市伝説、そういったものが出来上がるには、やはりそれなりの理由や意味があるらしい。つまり、何も無いところからは何も産まれない。
確かめようのない不安や恐怖といったものが、つまらない噂話を誕生させた。

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